タダで出来るパワーチェック!<回転部分の加速抵抗まで計算できる新バージョン2005年5月3日改定>
はじめに:
自分の車の馬力を知りたいけど、パワーチェックにはお金が掛かります。それと、チューニングの効果を知りたいと前後2回の計測で大出費となります。 それで、ディスカウントショップで売っている安物ストップウォッチが有れば、タダで正確に貴方の車の馬力を計測する奥の手をお教えします。

2005年5月3日改定版では、エンジン、駆動系、ブレーキ、ホイール、タイヤなどの回転部が加速時にどれ程、抵抗になっているか未知の部分を計算しました。専門的に言うと、慣性モーメント計算が必要となります。私の手元にあるパソコンの表計算ソフトには、主だった回転部の慣性モーメントを計算する式が入っています。この部分をHTMLにて表す時間が足りないので、取りあえず車体重量の25%(本格的な四駆の場合ですので、二駆の場合はFRで20%、横置きFFで15%としてください)としています。計算根拠がある値ですので、実用上は問題ない筈です。

馬力とは
馬力とは、その昔にエンジンが普及しだした時に、仕事をする能力を分りやすくするために考案された目安です。1馬力と言うと一匹の馬の力ですが、馬がのんびりと仕事をしている時の仕事率で75kgm/秒と定められています。 これを簡単に言うと75kgの重さの物を1秒間に1メートル持ち上げる仕事率を言います。人間が全速で階段を駆け上がっている場合は1馬力出ていると考えて良いでしょう。当然、馬が全力で仕事をするとかなりの大馬力が出ます。

必要なデーターは車検証に記載されている車輌重量とそれから加算される燃料 (1リットルで約0.7kg)や人の重み、搭載されている備品や荷物と中間加速のタイムです。1速、2速ではあっと言う間に吹き上がってしまいますので、計測誤差が大きくなります。 それで、3速や4速辺りが丁度良いでしょう。5速も良いのですが、スピード違反の関係で避けた方が賢明です。車の加速が早い場合は、メーターが追従できずに遅れが出る場合があります。その場合は5速とかを使わざるを得ない場合もあります。

2005年4月26日、27日に、ジムニー専門誌による取材があり、弊社製品によるジムニーターボのパワーアップデーターの計測を行いました。その時のデーターでエンジン特性を計算してみましょう。



計測方法
今回はBIOSシステム社のご好意で、センチ単位で車の移動を測定できる特殊GPS装置で計測を行いました。一般の方ですとストップウォッチを用意して、各速度間での加速到達タイムをスピードメーターから調べます。速度の変化に伴ってエンジン回転数が上昇しますが、ギヤが変わらなければ速度に比例して回転数が上昇しますので計測開始時の回転数を記録しておくと良いでしょう。 運転中でもありますので、安全と正確を期すのにデジカメのムービーモードでメーター類を記録しながら加速テストするのがベストです。この方法ですと、再生時にストップウォッチで加速タイムを計測すれば、細かく速度域を区切って正確に馬力を割り出して性能曲線まで作れます。

入力方法
入力データー ですが、 車検証に記載されている車輌重量と、それから加算される燃料 (1リットルで約0.7kg)や人の重み、搭載されている備品や荷物と中間加速のタイムです。 今回は、車検証から車輌重量が1000kgで、2名乗車と燃料込みでプラス200kgと計算してあります。テストに使用したジムニーはオートマ車ですが、26日のノーマル状態で80km/hから90km/hでの加速タイムが3.75秒掛っているデーターが取れました。そのデーターを下記の式に入れます。27日は5℃程、気温が高いのにも係わらず(ターボ車は絶対的に不利)、オイル添加剤とパワーアクセレーターで3.3秒と好タイムをマークしました。 マニュアル車では4速域で、10km/hアップごとにデーターを記録すると詳細な馬力曲線が得られます。

計算式
馬力=((車両総重量x到達速度(秒速)の2乗)/2g)ー((車両総重量x開始速度(秒速)の2乗)/2g)/75kgm(1馬力の意味)/所要秒数と言う式から馬力が簡単に計算できてしまいます。

80km/hから90km/hへの運動エネルギーの増加量を計算し、1馬力(75kgm/s)と所要秒数で割るとその間の平均馬力が簡単に出ます。

最初の(車両総重量x到達速度の2乗)/2gは90km/hの、次ぎの(車両総重量x開始速度の2乗)/2gは80km/hの運動エネルギー計算式です。

速度単位は秒速(m/s)です。km/hは時速ですので秒速に換算するには3.6(1kmは1000メートル、一時間は3600秒ですから1000/3600)で割ります。

gは重力加速度で9.8m/sですから、分母の2gは2x9.8で19.6と覚えていて下さい。どうして2gで割るのかと言うと、運動エネルギーの方程式は質量X速度の2乗/2となっています。引力による重さと質量(惰性の大きさ)は勘違いされる事が多く、専門家でもHPに堂々と勘違いの式を書いている場合もある程です。車輌重量とは引力から来る重さですから、重力加速度9.8m/s(簡単に言うと地球の引力の強さですから、月面や火星では当然変わってきます)で割らないと質量が計算出来ません。月面や火星では重力加速度が小さくなるので、質量とは宇宙の何処でも変化が無い絶対的な値です(相対性理論では運動速度で変化が出るとされますが、変化量は僅かで、光の速度に近い時にしか問題になりません)。加速抵抗の元の質量は重力に影響されない値と解っているので、アポロも月面から地球に帰る事が出来た訳です。惰性の大きさからと、重さから割り出した質量(慣性質量と重力質量)が何故等価なのかの疑問からアインシュタインは相対性原理に辿りついた経緯があります。

車両総重量と加速タイムから具体的な計算例
馬力=(1200kgx.25m/sx25m/s÷19.6)-(1200kgx.22m/sx22m/s÷19.6)÷75kgm(馬力単位)÷3.75秒(到達時間)

秒速の2乗の計算は電卓で秒速x=とすると簡単に出ます。

計算結果
馬力=38265kgm (90kmの運動エネルギー)ー30234kgm(80kmの運動エネルギー)/75kgm(1馬力の仕事率で本当の単位はkgm/s)/3.75秒(所要秒数)、見かけ上の駆動輪出力は80kmと90kmの間で平均馬力28.5PSとなりました。 

ABCDEFG
1車両重量計測開始速度km/h到達速度km/h到達秒数馬力(PS)トルクkgm中間点回転数
2100080903.7528.554095
3伝達ロス%計測開始回転数rpm到達回転数rpm減速秒数補正馬力補正トルクkgm空白
425385543367488.4空白
5回転部加算重量%人員、燃料積載量空白空白エンジン軸馬力エンジン軸トルク空白
625200空白空白6411.2空白
本格的な四駆の場合は伝達ロス%に25、回転部加算重量%に25と入力して下さい。2駆の場合は各々10〜2015〜20と入力して下さい。

上記の計算表は、EXCELの枠内に(黄色の字の箇所)を入力するだけで簡単に加速中間点、回転数での馬力、トルク、補正馬力、補正トルク、エンジン軸馬力、トルクを計算できる様にしてみました。下記の計算式をコピー&ペーストで所定の枠内に書き込んでください。

蛇足とは思いますが、EXCELの使い方を簡単に説明させていただきます。EXCELの枠内に字を書く場合は、そのまま書き込んでください。数式を入れるときは、頭に数式だよと言う意味で=を付けて書き込みます。=を式の最初に書くと、それに続く式の計算結果だけを枠内に表示してくれます。重量とか秒数を枠内に入力するときは、そのままの数字を打ち込んでください。どうしても分らない方は、EXCELの使い方の参考書を勉強してください。

E2の枠内に=INT((((A2+B6)*(C2/3.6)^2/19.6)-((A2+B6)*(B2/3.6)^2/19.6))/75/D2*10)/10
F2の枠内に=INT((E2*75)/(G2/60*6.24)*10)/10
G2の枠内に=B4*(1+(C2/B2-1)/2)
C4の枠内に=INT(B4*C2/B2)
E4の枠内に=INT((((A2/((100-A4)/100)+B6)*(C2/3.6)^2/19.6)-((A2/((100-A4)/100)+B6)*(B2/3.6)^2/19.6))/75/D4*10)/10+E2
F4の枠内に=INT((E4*75)/(G2/60*6.24)*10)/10
E6の枠内に=INT(E4/((100-A6)/100)*10)/10
F6の枠内に=INT((E6*75)/(G2/60*6.24)*10)/10


E2の出力は走行抵抗(タイヤの転がり抵抗、車体の空気抵抗)に逆らっての加速ですから、本当の馬力に補正をする式をE4に入れています。補正の根拠は90km/hからニュートラル走行して80km/hまで減速する秒数です。90km/hから80km/hまでの減速空走タイムが7秒で計算しました。下記はその計算根拠です。

馬力補正 の根拠
消費馬力=38265kgm(90kmの運動エネルギー)ー30234kgm(80kmの運動エネルギー)/75kgm(1馬力の仕事率で本当の単位はkgm/s)/7秒(所要秒数)
計算結果 90km/hから80km/hの平均空走消費馬力 15.2PSとなりました(転がり抵抗、空気抵抗の和)。先程の加速はこの消費馬力に逆らっているのでこの分を加算します。

見掛け馬力 28.5PS+消費馬力 19.5PS=約48PS となりました。この値は駆動輪出力ですから、エンジンの軸出力より小さな値となります。

エンジンの出力軸から駆動輪に至るまでに、ミッションやデファレンシャル・ギヤを経由しますので摩擦損失が発生するのです。損失の度合いは4輪駆動車が一番大きく、次ぎにRF車で、最高の伝達効率は横置きエンジンのFF、ミッドシップやRRです。

駆動系の伝達ロスの値について、自動車メーカーのデーターが知りたいと思っていたところ、弊社の12年前からのお客様で以前、自動車メーカーの製造技術にいた方と話す機会がありました。お話ではギヤの設計や製作精度によっても大きく変わるそうですが、横置きエンジンで約10%、RF車で12%から15%、乗用車タイプ4輪駆動車では20%から25%伝達ロスがある事を伺いました。

ジムニーの様な本格的なパートタイム四駆の機構ですと、ATで80%、トランスファー、デフで90%程度の伝達効率かと推測できます。トータルロスを計算すると伝達効率は80%X90%=約75%と考えてよいでしょう。

有料のパワーチェックとかブリッツのパワーメーターでは0.2秒単位でコンピューターによって速度増加が計算されているのですが、私達は手動ですから計測間隔は大きくなります。 ただし、この計算式をお教えしたお客様の馬力計測ではブリッツのパワーメーターとの差が殆ど無く正確とのレポートを頂いています(計算根拠が同じですから当然)。ブリッツのパワーメーターでは、空気抵抗計算を車の形状で近似値で入力しますが、今回の計測方法では空走時の減速率で走行抵抗(空気抵抗+タイヤの転がり抵抗)を計算しますので、より正確です。

念願のタイヤホイールやドライブシャフト、ブレーキローター等の回転部分の慣性モーメントの計算に挑戦してみました。これらの回転部品は、部品自体の重みより大きな負担になっています(各回転部品ごと計算して合計した結果、四駆の場合で加速抵抗が車体重量の約25%にも達する)。回転する部品の慣性モーメントの計算根拠は、機会をみて書くつもりです。計測は平坦路でないと値が変わってきますので、同じ場所での往復で計測すれば勾配や風向きを補正出来ます。

トルク計算の根拠
次にトルクの算出をしてみましょう。たとえば3速で加速したとして80km/hと90km/hの中間の85km/hでのエンジン回転数が4095pmだったとしましょう。この時の見掛け駆動輪出力は28.5PSです。

トルクとは、エンジンの軸から半径1メートルの腕を出したとしての先端の力です。直径2メートルの円盤がエンジンの軸に付けられていると考えたら分りやすいでしょう。 この円盤が4095rpmで回っているとすると、60秒で割ってやると毎秒で68.25回転している事になります。この時の円盤の円周上の回転速度(正確には周速度)は、直径(2メートル)X3.14X68.25ですから428.61m/秒となります。

28.5PSはkgm/sに換算すると28.5x75kgm/sですから2137.5kgm/sとなります。この意味は2137.5kgの抵抗に逆らって1秒間に1メートル動かすとも、1kgの抵抗に逆らって1秒間に2137.5メートル動かす仕事とも考える事が出来ます。 さて、円盤の周辺の速度が1秒間に428.61mで動いているとすると何キロの回転力が発生していれば2137.5kgm/sの仕事をしているかとの問題です。

そうです、2137.5kgm/428.61m毎秒= 4.98kgm(4095rpm近辺)と言うトルクの回答が得られました。

カタログに記載されているエンジンの馬力は、エンジン・ベンチ(エンジンを専用の計測台に載せて計測)で計測された値です。ただし、エンジン・ベンチはエンジンの性能を調べるのにベストとは言い切れません。なぜなら、低回転から高回転までの間の複数のポイントを定速回転でトルクを測っていますので、速度増加など慣性モーメントなどが影響する瞬発力を評価するのに向いた計測方法ではありません。どちらかと言うと、重い車が長い坂を何km/hで登れるかと評価するのに向いています。 自動車メーカーが馬力計測に使用しているガソリンは、JIS規格に準じた最高品質のガソリンで、そんな高質な燃料は庶民には入手不可能です。それと、駆動系の設計が悪かったりすれば、車輪出力が小さくなってしまいます。 さらに自動車メーカーは、カタログ値を上げようとして、フルバランス取りしたエンジンで計測とかしますので、カタログ値のパワーが出ている車はまずありません(ジムニーやGTRの場合は、量産エンジンでもカタログ・スペックを上回るとの噂もあるが、今回のジムニーも低い回転域ですでにカタログ値をマークしたので噂通りの計算結果となった)。もし、ご自分の車の馬力がカタログ値であれば、フルバランス取りのエンジン並と言う事になります。そんなこんなで実走行馬力を知りたければ、ストップウォッチの加速タイム計測から馬力を計算するのも一つの選択肢と思います(種々の馬力計測方法を吟味すると、神の存在の様な絶対的な馬力は存在しない事を悟りました)。

馬力計測は、その時の気象条件が大きく作用します。気温は低い方が馬力が出やすく、気圧も高い方が有利です。それに湿度も影響しますので、シャシーダイナモでは、比較対照のために補正した数値を出力します。 しかし、その補正も自然吸気エンジンにのみ対応していますので、ターボエンジンの場合は気圧が高く、気温の低いに日に計測するべきです(夏場での計測は不正確)。 タイム計測による出力測定値は、その環境での実測値ですから、とても現実味のある馬力計測方法だと思います。オートマ車でも、計測できますが計測中のシフトアップは無い様にして下さい。

金属回転ローラー式シャシーダイナモの問題点
一般的に普及している金属回転ローラー式のパワーチェックでは、車輪の回転トルクを測る特種なシステム(理論的には完璧ですが、下記に述べる他の問題点が出てくる)を持っていない限り正確とは言えません(燃料を絞って空吹かし特性の良いエンジンで高い馬力の値が出てしまうので、それ専用のロムを売り付けるショップもある)。 また、タイヤのゴムと金属ローラーが高速で回転すると百万ボルトを超えるプラスの静電気が発生します。この静電気はプラスに帯電して、補器類の特性を低下させる傾向がありますので注意が必要です。対策としては、エンジンからブースターケーブルで地面にアースするとかして静電気の帯電による馬力損を防がねばなりません。 帯電によるスパークは車両火災の原因になりますので、欧米では パワーチェックでエンジンを地面にアースするのは義務となっています(日本人技術者は不勉強で知らない)。

現在、流行しているアーシングにも通じる話ですが、車が走行している時は静電気や邪魔な電磁波が発生します。金属回転ローラー式のパワーチェックでは、ゴムと金属ローラーが高速で回転する関系上、実走行以上に想像を絶する高周波と高圧静電気が発生します。 特にプラスの静電気が車に帯電すると流体抵抗が増して性能が低下します(ジェット戦闘機では最高速度を上げるために、高速飛行中に帯電するプラスの静電気を如何に放電するかに苦心しているそうです)。

単に帯電する静電気であれば、ボディーにボルト止めしているエンジンから特別な太いアース線を増設する必要は無い筈です。 それでも実際にアーシングに効果が出ているところを見ると、性能低下をさせている電気は高圧な高周波が考えられます。電流を通すコイルが巻き線の間隔でインダクタンスが変化する事から充分に考えられる事です。

パワーチェックによる著しい性能低下の経験をお話しします。弊社でロードスターにパワーアクセレーターを装着し、ボディーに運動性能を上げるチューニングした事がありました。かなり速くなったこの車を、シャシーダイナモでパワーチェックする事にしました。 パワーチェックでの馬力の値は不思議とノーマルと大差は有りませんでした。パワーチェックからの帰り道での体験ですが、エンジンのフキ上がりが悪くなっただけで無く、恐い程のハンドルのフラツキ現象が出たのです(助手席の人が判る程)。 窓の風切り音は非常に煩くなり(ボディー周辺で空気が渦を巻いて空気抵抗が増えている)本当に驚いたものです。この体験をジェット機の技術にも携わっている知人に言ったところ、それは当たり前の現象と教わりました。

この経験から、弊社ではシャシーダイナモによるパワーチェックは百害あって一利なしと考えていた訳です。原因はタイヤとローターから発生する静電気しか考えられなかったのですが、 自動車工学誌に執筆されている菅野先生に御教示を頂いたところ、パワーチェックにはエンジン・アースが絶対に必要な事を教わった次第です。 ただし、シャシーダイナモの悪影響は静電気だけで説明出来る範囲を超えています。恐らく、金属ローラーとゴムタイヤが高速回転すると高圧静電場発生装置と同じ組み合わせですから、車を取り巻く様に形成される静電場と動力測定用の発電機から発生する有害電磁波が車体やエンジンにマイナス効果を与えているとしか考えられません(車軸直結方式のダイナ・パックでは悪影響が少ない)。ロードスターでの経験の様に,、欧州車では金属ローラー式シャシーダイナモによる性能低下を回復出来ない場合があるので要注意です。 高周波や静電気の心配の少ない実質走行馬力を計測出来るストップウォッチによる計算か、ブリッツのパワーメーターがお勧めですが(タイヤのスリップが無い限り正確)、 どうしても信用出来ないと言う方は、タイヤを外す方式の車軸直結式のダイナ・パック方式(某怪し気げグッズは、静電気を嫌って燃調の濃い古いセルシオとこの計測方法で良い結果を出せた)を使用するのも一つの手です。正確無比なダイナ・パックは、レーシングカー等のエンジン調整には絶対に不可欠なシステムですが、駆動ロスが計算に入っていないので(実走行性能に限りなく近いので、かなり小さな値になる)、シャシーダイナモによる測定値やエンジン・ベンチによるカタログ値と簡単には比較できない事をご了承ください。

ただし、BeeRacing社の採用している慣性負荷方式のシャシーダイナモでは輸入車の性能低下は見られませんでした。リターダー方式と呼ばれる電気的負荷によるシャシーダイナモが車のバランスを崩す危険性が大ですからご注意ください。リターダー方式の見分け方は簡単ではありませんが、ローラーの脇の床面が平坦なのが特徴です。慣性方式では大きなローターを収納するための箱が出ているのが特徴です。 すでにパワーチェックで愛車のバランスが崩れてしまったと感じられている場合は、弊社にご相談いただければ調整作業を承ります。もちろん、この作業は国産車にも有効で、高速欧州車に引けをとらない高速安定性向上と素晴らしい加速に驚かれると思います。 シャシーダイナモと実走行での馬力の差を考えてみましょう。当たり前と言えば当たり前なのですが、自動車は駆動輪で地面を蹴ってその反作用で前進します。地面は動かずに蹴った自分が動いている訳です。それに対して、シャシーダイナモは車を固定して地面の代わりになっている金属ローラーが回転をします。 これは等価かと言う課題ですが、古典力学から見れば地面を蹴って自分が反動で加速しようと、自分は動かずにローラーが回転しようとエンジンの仕事率は同じと言う結論が出ます。でも、実走行と金属ローラーを回した場合のエンジンの仕事率は厳密に言うと等価ではありません。 ここにシャシーダイナモで計測して一馬力幾らと言う商売が成り立つ訳です。実走行に比べてシャシーダイナモでは短時間で高速域まで到達します。近頃のエンジンは、あらゆるセンサーからの計測データーを元にコンピューターが適切な点火時期と燃料噴射量を決定して制御を行っています。 その結果、短時間で急な加速をしてしまうパワーチェックでは、点火時期と燃料補正にタイムラグが生じて補正しきれない現象が出て来ます。残念ながら、この遅れまで補正計算するシステムは現行のシャシーダイナモでは用意されていません。この辺を巧みについて、 パワーチェックで大馬力の出るコンピューターチューニング.テクニックを駆使する業者も存在する訳です。

欧州車は国産車に比べてパワーチェックでは、少なめな馬力を計測する場合が多く見受けられます(カタログ馬力も誇大広告はしていない)。ところが自動車専門誌等のロードテストでは、非力な筈の欧州車が大馬力の国産車を寄せつけない場面が多々あります。 この理解出来ない現象こそ、明治維新より「欧米に追いつけ、追い越せ」とばかりに彼等の研究成果である近代科学(古典力学)一辺倒で走ってきた日本の限界が有ると思います。 パワーアクセレーターの所で紹介しているインドのアショカ・ピラーのごとく、欧米人は東洋に進出した時点で近代科学では理解出来ない技術と遭遇し、研究心を燃やしたと推測されます。「足下を掘れ、そこに泉あり」の諺を日本の技術者が思い出せば、世界に冠たる日本の繁栄を再度、構築出来ると信じています。 「足下を掘れ、そこに泉あり」と言っても、日本の大企業が得意な産業スパイだけはいただけません。最近、弊社の周りに自動車メーカーやチューニングメーカーの産業スパイまがいがウロウロしているみたいですので、所轄警察に巡回強化をお願いしております。 そうした中で検挙されているグループもありますので関係各社におかれましては、くれぐれもお気を付けください。

尚、シャシーダイナモの問題点や正確な利用方法をご教示いただいた自動車工学誌の菅野靖三先生に、この場をお借りして厚く御礼を申し上げたく思っております。

皆様がご自分で計測計算されたレポートや、何か気が付いた事がありましたらご是非連絡を下さい。

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