メタルチューニングと混合して注入した。
20分のアイドリングを行なってから,走
行した。
| 効果は
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エンジンのヘッドカバーにサウンドス
コープをつけて聴診すると,カムシャフ
ト周辺のメカニカルノイズがすべてを添
加する前とは異なり,衝撃音がマイルド
に変化している。ルーチェのV型6気筒
はローラーロッカーアームで,摺動部分
はローラーベアリングにされている。
HLA(ハイドロリック・ラッシュ・アジャ
スタ)付きのこのエンジンの冷間始動後
のタペットノイズはHLAによるもので,
エンジンオイルの劣化によるこの音の変
化は極めて大きい。エンジンオイルによ
く混ざったボロンやテフロンは油膜保持
ができにくい動弁系の潤滑に大きな期待
ができるので,始動性と静粛性が向上す
る。長期間エンジンを回さなかった後の
ドライスタートの防止にもなる。
すべてを添加後に170q走行してから
シャシダイナモで出力とトルクを計測した。添加後の170kmの走行中には60・80・100km/hの定速走行燃費も計測した。
60km/hの燃費はカタログ値の16.8km/g
に対して15.52km/gと7.6%低下したが,
80km/h の 11.76km/g と 100km/h の
11.28km/gはこれまでの計測値より平均
で5%の向上が見られた。
パワー計測データは,2000rpm以下の
39.7PSを記録。これまでの31PSから
8.7PSも向上するなど,低回転域から加
速フィーリングが大きく向上。実に28%
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出力向上データ
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↑シャシーダイナモメータの計測結果から5箇所のエンジン回転数の出力データを抜粋したもの。
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もの出力向上が実現した。いくつかの回転域別の出力比較データを上の表に示す。特に使用頻度が高い2000〜3000rpm台で20%以上の出力向上率が見られた。
最高出力は4950rpmで144PSと,カタログデータの145PS/5000rpmとほぼ一
致。ドライバビリティとしては 2000〜3500rpmでのエンジン振動がなくなり,この回転域で過給圧がピークになると出ていた共鳴がなくなってスムーズに加速するようになった。
メタルチューニングはエンジンオイルに5%添加するほか,ATF(自動変速機液)やパワーステアリング液/デフオイル/変速機オイルにも添加することで,ギアノイズやシフトフィールが改善されるという。
前述のデフオイルの温度低下は200km/hを越える速度の連続走行をオイルクーラなしで行なったときのもので,実用域からレーシングスピードまで効果が得られることがわかった。
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