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究極の全輪駆動エコ・ハイブリット・ビークル!


サンヨー電動アシスト自転車

左ハンドルにあるインジケーター
2009年7月23日仕事で使う連絡用の電動アシスト自転車を7月10日に購入。 最上級のリチウム電池モデルの定価は13万円超だが、ネットで検索したら9万円チョイで出ていたのでゲット!このモデルはサンヨー製だが、選んだ理由は何と一回の充電で100kmを走行できると言うフレコミだったからだ。 一口で100kmと言うが、近々発売予定されている軽カーをベースにした電気自動車でも、一回の充電で走れる距離は160kmにすぎない。 重さの関係からバッテリーを大きく出来ない電動アシスト自転車の走行距離が100kmと言うのは、とんでもない技術革新なのだ。


自動車用オイル添加剤を扱う弊社が、何ゆえ自転車に興味を持つかと言うと、実は自動車用の技術革新は自転車から始まっている事が多いと言う歴史的事実(空気入りタイヤ、チェーン)があるからだ。 また、電動アシスト自転車はデジカメと並ぶ日本の発明品であり、今後大いに外貨獲得の主力製品になる可能性がある。電動アシスト自転車を最初に発売したのはヤマハであるが、 2008年度の生産台数は31万5千台と、28万台の原付バイクを追い越し、それらを市場から駆逐する程の発展をとげている。技術的にみると、今回購入したサンヨー製はご本家のヤマハを追い抜き、究極にせまるコンセプトを持っている。デジカメのページでもサンヨーの技術力の凄さを紹介したが、電気釜や洗濯機専業メーカーみたいなイメージとは異なり、この会社の持つ技術力を、今後順次検証してみたい。


前輪に搭載されているIPMモーター

残量表示付きリチウム・バッテリー
2009年7月24日サンヨー・エネループ・バイクの特徴は、何とモーターを大胆にも前輪車軸に置いた事である。要はFFなんであるが、 ペダルは従来通りチェーンで後輪を駆動するので、全輪駆動車なんである。 スパイク・タイヤ装着で、雪上を自由自在に走り回っているスポーツタイプのエネループ・バイクがブログで紹介されている。 同じくスノータイヤやスパイクタイヤを装着すれば、ママチャリ・タイプでも郵便屋さんや緊急連絡用とか色々な分野でも活用できるのではなかろうか。

それでは、何ゆえモーターを前輪に持って行ったかと言うと、 全輪駆動自転車を作るためではなく、回生ブレーキで走行距離を延長したかったからである。回生ブレーキとは、電車で既に採用されている省エネ技術であるが、減速したい時に車輪のブレーキではなくモーターを発電機にして、 その抵抗で速度を緩める方式である。そこで発電した電力は、電車では他の電車の動力に回すが、この自転車では搭載されているバッテリーの充電に回すのである。回生ブレーキを採用するには、従来のクランク軸にモーターを搭載する方法では、チェーンに逆方向の力が働き、チェーンの遊びがある関係で非常に都合が悪いのである。それで、サンヨーは従来前輪車軸に搭載していた照明用発電機をヒントに、前輪駆動を考え付いたのである。

そこで、この搭載されているモーターであるが、そんじょそこらにある直流モーターではなく、IPMモーターと言う、最近脚光を浴びている特殊なモーターを採用している。このモーターは何者かと調べたら、これが物凄い代物で、これからのハイブリット・カーやEVで主力になると期待されているモーターだった。もっとも、従来は洗濯機やエアコンで使われだしたので、家電が得意なサンヨーならではなのかもしれない。

2009年7月25日IPMモーターの事を調べてみたのだが、正式名は「埋込構造永久磁石同期電動機」と呼ばれるらしい。このモーターをバッテリーで回すには、インバーターと言う直流を交流に変換する回路を通さねばならないらしい(正確には、出力調整用に電流をパルス状にしている)。 エネループ・バイクを詳しく説明しているHPを見ると、このインバターの回路が掲載されていた。この回路でバッテリーの直流電流を三相交流に変換しているのだ。強力な永久磁石を上手く回転子に埋め込んでいるので、効率が90%を上回る場合もあるらしい。回生ブレーキを作動させる場合は、このモーターを発電機として使うが、発電される電流は三相交流となり、整流回路を通してバッテリーに充電している。実は、このパルス状の回生される電流に、ハイブリット・カーやEVの未来への大きな可能性があるのだが、このテーマに関しては後述したい。

今回導入したエネループ・バイクは一回の充電で100km走しれる最上級モデルで、リチウムイオン・バッテリーが搭載されている。廉価版にはニッケル水素・バッテリー搭載モデルもあるので、いざ購入となると、どちらを選ぶか悩むところである。そこで、リチウムイオン・バッテリーとニッケル水素バッテリーの特徴と長短所を述べてみることにする。

リチウムイオン・バッテリーは何と言っても、そのサイズからは従来考えられない大きな容量を持っている。足で漕ぐ自転車は、何よりも軽量である事が大事だが、走行距離を延ばそうとしてバッテリー容量を増すと、その重量は馬鹿にならなくなる。また、従来のバッテリーでは途中充電するとメモリー効果といって、段々と充電できる量が減ってくる性質があるが、リチウムイオン・バッテリーにはそう言う心配は一切なく、好きなときに充電できるイージーさがある。バッテリーは使わなくても自然に少しづつ放電する癖を持っていて、これを自己放電と言うが、このバッテリーは自己放電がとても少ないので、何時の間にかバッテリーが上がっていたなんて心配もない。なにやら良い事だらけみたいなバッテリーだが、やはり落とし穴もあり短所も知っておいた方が良い。

そのリチウムイオン・バッテリーの短所だが、長期保存する場合は2〜3割の充電量にしておいて、涼しい所に保管しておかないと急激に性能が劣化してしまう(容量の減少)。いざと言う時のために何時も満充電しておくと、意外と早く寿命が尽きてしまう欠点があるのだ。優等生的にこのバッテリーを使ったとしても400〜500回の充電で寿命がくるそうだから、実際にはかなり寿命が尽きるのは早いと考えて良さそうだ(1年半程度か)。それにリチウムと言うレアメタルを多量に使うので、べらぼうにコストが高い。このバッテリーを搭載したモデルの価格が高いのは、このバッテリーのコスト高に起因している。

次にニッケル水素バッテリーだが、リチウムイオン・バッテリーの半分くらいの容量しかないと思って間違いない。従って、このバッテリーを搭載しているモデルは、車体が構造的には殆ど同じ仕様ながら、走行距離が50km程度と半分になっている。まあ50kmと言っても、そんな距離を走破しようなんて方は、競輪選手でもなければいそうもないので問題はないが、日常的には頻繁に充電を行う必要が出てくる。それと、このバッテリーは例のメモリー効果と言う、中途半端な充放電を繰り返すと容量が減少してくる性格を持っている。また改善されているとは言え、自己放電率も高く、充電したまま放っておくといざと言う時、バッテリーが上がっていたなんて事もありうる。

ここで両バッテリーの総括になるが、どう見てもリチウムイオン・バッテリーに軍配が上がりそうだが、当方の出した結論は全く逆の結論になった。その理由だが、まず何と言ってもリチウムイオン・バッテリーは価格が高すぎる。同じ車体でありながら、ニッケル水素バッテリー搭載タイプは6万円超で買えるのだ。それに、何時も満充電しておくと寿命が早く尽きそうと言って、残り電力を中途半端な状態にしておくと、いざと言う時にとても困ることになる。これに比べてニッケル水素バッテリーは、値段が安く買い求めやすい。それにメモリー効果があると言っても、充電器にちゃんと完全放電させてから充電する機能が付いていて、メモリー効果をキャンセルする事ができる。満充電しておいても寿命が短くなる心配はないので、毎晩寝る時にたっぷりと充電しておけば自己放電もヘッタクリもなく、次の日は競輪選手並みに走り回れるのだ。




パワーアセレーター108φ用板を巻き付ける!

チェーンにメタルチューニングを塗布
2009年7月26日エネループ・バイクは、モーターで直接車輪を駆動している方式だから、イン・ホイールモーターだ。 ホイール内にモーターが直接付いているので伝達効率が良く、従来のチェーン駆動より2割弱もロスが小さいらしい。IPMモーターに大きな期待が出来る様になったのは、強力な永久磁石が開発できたのと、 インバーターの小型化と効率がアップしたせいらしい。それで、さらに効率アップを目指して前輪のモーター部に板状108φ用パワーアクセレーターを結束バンドで巻きつけ、 クランク軸下部にあるインバーターにもパワーアクセレーター・ステンレチップ、クランク根元両側面にロゴ・タイプを貼り付けた。チェーンにもメタルチューニングを塗布し、伝達効率UPにチャレンジしてみた。

2009年7月29日イン・ホイールモーターの直接駆動で伝達効率が高いと言われるエネループ・バイクだが、ペダルで漕いだパワーはチェーンで後輪を駆動する。それでチェーンの伝達効率を調べたが、実験室内では98%程度の高い効率で動力を伝達できるらしい。しかし、人力飛行機でのプロペラを駆動するチェーンの実測では80%台との報告もあるし、エネループ・バイクと他社の電動アシスト自転車をカタログ値で比較しても、人力飛行機の伝達効率と一致する。恐らく、チェーンの伝達効率は、種々の条件(チェーンに掛かる張力、スプロケットの径、経年変化、汚れ具合、潤滑条件)で大きく変化してしまうのではないだろうか。それで、チェーンにメタルチューニングを塗布した訳だが、真新しいエネループ・バイクはともかくとして、使い込んでいる自転車のチェーンに塗ると、驚くほどにペダルが軽くなり気持ちよく加速するのが体感できる。 この意味する所は、使い込んだ従来のチェーン駆動式の電動アシスト自転車のチェーンにメタルチューニングを塗ると、電動アシストでの走行距離を延ばせる可能性があると言う事だ。

2009年8月2日ハイブリット・カーの大フィーバーとか、EVの発売が近いとか、従来、レシプロ・エンジン一本で来た我々は、メカの知識だけでは対応できない激変する環境に曝されている。そう言う流れの中でIPMモーターは、エンジンに代わりうる主役になる可能性が大である。このモーターを理解するのは、当方の様な電気オンチとしては厳しいものがあるが、たまたま素晴らしい解説をしているHPを見つけた。TOPページの中段にある「交流同期モーターの回転原理」の箇所をクリックすると、動画アニメ入りで回転の原理が解る。この作者は電気の知識だけでなく、教育的なソフトを作る才能も持たれていると感じた。


ケーブル用パワーアクセレター装着

ロゴ・タイプ4枚でケーブルを囲む
先日、モーターに巻き付けたパワーアクセレター108φ用の板は、殆ど効果は体感できなかったので取り外した。 エネループ・バイクは、電源ケーブルがフロント・フォーク部に露出しているので、今度は、そのケーブルにフェライト・タイプのケーブル用パワーアクセレターを装着してみたが、 これも効果が無いと言うか、少しペダルが重い感じになってしまったので、これも取り外した。次にダメ元で、アルミ製のロゴ・タイプをケーブルを包み込む様に4枚貼り付けてみた。 これは大成功で、走り始めは若干トルク・ダウンした気がするが、速度が乗って来るとペダルがシュン・シュンと軽く回転し、スピードが出すぎるので驚いた。 何故、モーターに巻き付けたパワーアクセレター108φ用の板や、フェライト・タイプのケーブル用パワーアクセレターに効果が出ないか考えてみたが、 この両者の共通点は磁性体である事だ。推測の域を出ないが、IPMモーターは高周波のパルス状の電流で駆動するので、磁性体を接近させるとロスが大きくなるのかもしれない。



2009年8月3日バッテリーの話に戻るが、現在実用化されているのは、ニッケル水素バッテリーとリチウム・イオンバッテリーだ。 HVは、おしなべてニッケル水素バッテリーを使っているが、近々に発売されるEVは、リチウム・イオンバッテリーが搭載されるらしい。使い分けられる理由は、前述の性質のせいだろう。エンジンを搭載し何時でも充電できるHVは、 多少の自己放電は目をつぶれるし、価格も手頃である。これは、モーターの他にエンジンを搭載していてコストも掛かっているから大事な要素だ。 EVは、エンジンを搭載していない分、高性能なバッテリーにお金を掛けられるし、何分にも大方の性能はバッテリーで決まるので、高性能な物を使いたくなる。 EVの電気代がガソリンに比較して格安と強調されるが、生活必需品の電力には多額の税金による補助がされている。 そうすると、ガソリンでは税金を払いながら走るが、EVでは補助金を貰いながら走る事になるので安いのは当たり前だ。 EVが普及すると、今度は道路財源をどうするか大きな問題になるのではないだろうか。また、走行経費にバッテリーの消耗経費が入っていない。電動アシスト自転車の例から、バッテリー寿命は充電回数で400〜500回だ。 仮にバッテリー価格が100万円として、10万kmで交換となると、10円/kmの経費が上乗せされる。 これは、13km走行で現行の1Lのガソリン代と同等だから、リッターカーや軽カーと比べて割安なのか本当のところを知りたい。 まあ、環境やエネルギー効率からしてEVは必要と言われれば、難しい事を言う筋合いは無いのだが。



2009年8月5日ニッケル水素バッテリーとリチウム・イオンバッテリーの他に期待されているのが燃料電池である。 これは電池と言っても水の電気分解の逆で、水素と酸素の結合によって電力を発生させるので、排出されるのは水だけであり、 環境に良いとされる。そして、電力を蓄える物ではないので、本当は電池ではなく発電装置である。 ニッケル水素バッテリーも充電時には電解液を電気分解し、発生した水素を電極に蓄え(電極が水素吸蔵タンクになる)、放電時には水素と酸素を結合せるので、原理からすると立派な燃料電池システムであり、 別途水素ガスを外部から調達する燃料電池にメリットがあるのか、専門家の意見を聞いてみたい。 燃料電池では、運搬や貯蔵で取り扱いづらい水素ガスではなく、分子構造の単純なアルコールや天然ガスの含む水素を利用する方式も実用化されつつあるが、 それらの炭化水素を利用するとすると、排出されるのは水だけではなくなる。また、それらから水素をわざわざ取り出さなくても、 従来のレシプロ・エンジンに一工夫すれば、アルコールや天然ガスを燃料として使えるし、ロータリー・エンジンならば、大した改造なしに、水素を直接燃料として使えるニュースも見た事がある。これらの事から、燃料電池は天然ガスを利用して、家庭用発電装置としては非常に期待できるが、自動車用としては如何なものだろうか。

2009年8月6日昨晩のテレビ報道で、HVカーが事故を起こした場合、救助活動で救助隊員に感電の危険があるとし、 消防隊員に対する対処訓練が紹介された。電動アシスト自転車のバッテリー電圧と異なり、HVやEVは数百ボルトの高電圧を使用する。 危険なまでに電圧を上げるのは、ジュールの法則(発熱量=0.24X電流X電流X抵抗X時間))から、同じ出力なら高電圧の方が電流が少なくでき、発熱が少なく効率を上げられるからであろう。 万が一感電した場合は、バッテリーからだから直流であり、交流よりも強烈なショックを受ける。最近の水害の多発を見ても、高圧バッテリーを積んだ車が水没した場合の対処方法とか、事故により電気系が破損したままの河川への転落とか、事故によるバッテリー破損で、発火した場合の消火方法等々、新しい技術革新に対する社会の受け入れ態勢の整備も大切なのではないだろうか。 勿論、ガソリンだって危険物であり、引火性を考えると火薬より怖い部分(火薬の傍で火を焚いても発火するとは限らないが、ガソリンの場合は引火してしまう)もある。 人類の文明とは、常に技術革新の連続であり、自動車の電気化も必然の流れである。従ってい、たずらに危険視するのではなく、使う側の心構えや準備が大切なのは言うまでもない。




2009年8月10日中部大学の某教授の論だと、HVの燃費は良いが、 決しって環境に優しい乗り物ではないとのご意見のブログを拝見した事がある。論拠を読むと「なるほど」と唸ってしまった。充電できる高性能2次電池は極板にレア・メタルを使うので、採掘現場では山を崩し、精錬では多量のエネルギーを消費する。 また、リサイクルでの消費エネルギーも考えると如何なものだろうか。もっとも、購入層は表向き燃費が良いからとか、補助金が出るからとか言って予約するが、実際はHVの新技術に興味があって買うのではないだろうか。これは、ターボが初めて搭載された時、排気エネルギーを回収できて、燃費改善できるからと言うのが大きな建前だったが、今更ターボの燃費が良いと思っている方はいないだろう。ターボには、ドッカンパワーがあり楽しいのと、本来は航空機用のパワーアップ・システム(本当は、高高運度でのパワーダウン防止)を身近な自動車に搭載したと言う、航空機由来の技術に対する満足があったと思う。であるから、某教授はHVは環境に良いと報道するTV局に対して苦言を述べているが、当方の意見では、世界を出し抜いた日本の新技術だから面白いと思っている。勿論、HVが環境に優しい車なんて、少しも思ってはいない。ハリウッドの有名スターが、パーティー会場に来るのに、リムジンからプリウスに乗り換えたのがきっかけで、米国にHVブームが沸き起こったらしいが、これからのカッコ良いライフスタイルは、フェラーリに乗るのではなく、バッテリーに補助される乗り物に乗る事である。勿論、麻布十番界隈には、駐車違反の民間取締りを受けない電動アシスト自転車でマーケットに買い物に行くのが一番似合うのである。




2009年8月24日HVやEV用電源は、将来キャパシター(コンデンサー)になるであろう。ニッケル水素やリチウムイオン・バッテリーは、大容量コンデンサーが実用になるまでの通過点ではと思う。両者のバッテリーは、電気エネルギーを化学変化の形で蓄えるので、充電時にどうしても極板が少しずつ傷む。新品に較べて6割程度の容量になったら寿命と判断し交換するそうだ。 電動アシスト自転車のバッテリーを参考にすると、400〜500回の充放電で寿命が尽きる。それを考えると、10年後は彼方此方に廃棄バッテリーが山積み状態となるのではないか。現に排気ガス汚染を防ぐ為に、EV化が進んだヨーロッパの某観光地では、山岳地帯の谷間に廃棄バッテリーが山積みにされているのを見た人がいるとの話を聞いた事がある。化学反応ではなく、静電誘導を使って電力を溜め込むキャパシターの寿命は、充放電回数で10万回とも言われ、事実上半永久的に使えるらしい。また、充電方法を工夫すれば分単位で満充電が完了する。バッテリーでは大量のレア・メタルを必要とし、現在の入手先は殆ど中国に頼っている。キャパシターの電極は炭素の粉だから、これは無尽蔵と言って構わない。 ただし、バッテリーと異なり大容量のキャパシターを開発するのが難しかったが、電気二重層キャパシターの研究開発が進んでいて、将来はバッテリーに取って替わる可能性が大だ。問題は、内部抵抗の小さなキャパシターは充電が難しい。充電しようとすると、殆ど内部抵抗が無いので巨大な電流が流れ、電源や途中の電線で発熱してしまい、蓄えられる電力は入力の5割にも満たない。それで、充電用の直流をダイオードで細切れにし、コイルを通じて流すとコイルのインダクタンスがロスの無い抵抗(一時的に電力を溜め込むダムになる)になり、能率良くキャパシターに充電できる。エネ・ループ自転車にも使われているIPMモーターは、三相交流を発電して回生ブレーキを掛けるので、小型高性能なスイッチング・コンバーターでパルス状の直流が得られる。この理由により、IPMモーターの今後の大きな可能性を前述したのである。






キャパシター電源搭載オモチャの電気自動車

キャパシターに発電機を回して充電する
2011年2月13日究極のEVをご紹介したい。 勿論、キャパシター(コンデンサー)を電源として走るオモチャではあるが、基本原理や特性は実車と同じである。電気自動車の電源は、最終的に電気二重層コンデンサーになりうる理由は前述した通りである。

ニッケル水素やリチウムイオン電池とキャパシターとの比較では、充電効率や放電特性と共に走行距離の点でキャパシターはまだまだ課題を残している。ただし、これらの電池とキャパシターとでは性格が全く異なっているので、単にそれらの物差しだけで実用性を比較するのは筋違いである。

まず充電効率であるが、単純なキャパシターの定電圧充電回路では理論上50%以上のロスがでる。しかしながら、ニッケル水素やリチウム電池でも充電効率が100%である訳ではなく、実際は80%程度と言われている。これに対してキャパシターの充電効率の改善が研究されていて、DC・DCコンバーターを上手く使うと90%以上にまで改善されるらしい。

放電特性は電池と異なり、放電と共に電圧がどんどんと低下し一定電圧を維持する事はできない。ただし、これもDC・DCコンバーターと電流のパルス制御でモーターの出力コントロールができる。一充電当たりの走行距離だが、大電流の放電が得意なので急な登坂ではかなり期待できるらしい。平坦路の走行距離では充電式電池には到底かなわないが、キャパシターはその特性上で大きなトルクを必要とする山坂ではかなり健闘する。これはガソリンスタンドの廃業が問題になっている地方の山間部ではもってこいである。

走行距離では充電式電池(二次電池)にはかなわないと言われているキャパシターであるが、発進停止の多い市街地走行での回生ブレーキを多用するとどうだろうか。HV(ハイブリット・カー)でも同じだが、充電式電池では大電流で充電すると電池が痛んだり壊れてしまうので、回生ブレーキで発生する大電流を全て充電に使えない。せっかく回収した電気エネルギーの大半は抵抗で熱にして逃がしてしまうのだが、キャパシターでは大きな電流で充電が可能で、回生したエネルギーの殆どを回収できる。従って、キャパシターを電源とするEVでは、回生ブレーキをエンジンブレーキのごとく使うと、電池式EVより効率的に市街地走行をこなせる場合も考えられる。事実、HVでも回生した電気エネルギーを一度、専用の小型キャパシターに充電して回収する方式もあるらしい。

手回し発電機からキャパシターへの充電効率を測る

さあ、いよいよ発電開始!
大電流(小型マンション一棟に必要な程の電力になるらしい)で一気に数分で充電できるキャパシターでは、充電の待ち時間を気にする必要はない。 これは、短いと言われる航続距離のデメリットを考えても有り余るメリットなのだ。キャパシターは残存電力を正確に計算できるので、例えば一充電で100km走れる能力を持ったキャパシターが将来開発されたとしての話だが、走行限界ギリギリまでの距離にあるサービスエリアまで走りこんで、お茶を飲んだり、トイレに寄れば、その間に充電が完了してしまう。充電式電池では、残りの電力を正確に計算するのが難しいので、電欠を回避するのに余裕を見て、走行可能距離の80%前後を走った時点で充電する必要がある。

その上、電池の急速充電でも30分以上待たされる事を考えれば、キャパシターは何とも気楽なドライブを満喫できるのだ。 まして、走行距離200kmと言っても新しい電池の場合だから、充電回数の増加と共に走行可能距離は短くなる。容量が6割に低下したら電池交換とするらしいから、 一充電走行距離が120kmになった時点でバッテリーの寿命となる。それに引き換えキャパシターの充電可能回数は十万回以上と言われるから、充電を繰り返す事による走行距離低下は無いと考えて良い。

充電式電池の寿命だが、端子電圧を0Vまで放電して使うと一回で尽きてしまうらしい(よって、こう使い方はしない設計になっている)。従って、蓄電容量に対して浅い充放電(電池の蓄電容量は使う電流の大きさで変わるので、この表現も正確とは言えないが)を繰り返して使う事になるが、キャパシターでは完全放電させても劣化の心配がない。ガソリン車で言えば、電池式EVではガソリンを継ぎ足しで給油しなければならないが、キャパシター式ではケリのケリまで使い切っても良いのだ。

なにやらキャパシターの良い所ばかり書いてしまったが、当然の事、充電式電池にも良い所があり、日夜改良されているので、必ずしもEVがキャパシター電源になるとは限らない事をお断りしておく。






キャパシター電源に改造するEV救急車

単3乾電池一本1.5Vが電源
2011年2月25日単3乾電池一本で動くオモチャの救急車を見つけたので、 電源を乾電池から電気二重層キャパシターにできないかトライしてみた。ただし乾電池と異なり、キャパシターの問題点は放電電圧がどんどん下がっていく事である。 それで、2.2F5.5Vの電気二重層キャパシターを3個直列にし12Vで充電してから、DC−DCステップ・ダウンコンバーターで常時1.5Vの出力にすればと思いついた。


シガーソケットUSB電源を分解して部品取り

コンバーター出力を5.4V→1.5Vに改造(左改造後)!
DC−DCステップダウン・コンバーターと言うと難しく思うが、シガーソケットからUSB電源取るグッズには大抵、この回路が内蔵されている。12V電源から5.4Vにダウンするのに発熱を抑える為、専用IC(MC34063A)とコイルを組み合わせ効率の良い設計になっている。その効率を測定してみたら、何と96%と言う素晴らしいもので驚いた。 前述のキャパシターEVカーの充電回路は、ツェナー・ダイオードで余分な電流を脇に垂れ流している簡単な代物だったので、回路の効率は30%に過ぎなかった。定電圧でのキャパシター充電効率は50%以下だから、発電機のハンドルを回すエネルギーの15%以下しか充電できない事になる。

さて、出力電圧を1.5Vするのにはどうしたら良いのだろうか、それが問題だ。そこでエレクトロニクスを勉強してみたら、専用ICに接続している二つの値の異なる抵抗(R1,R2)による分圧で出力電圧が決まっている事を突き止めた。その計算式は(R1+R2)÷R1X1.25=Vとなるそうだ。最初に付いている抵抗を測ったら、R1=0.9kΩ、R2=3kΩだったから、(900+3000)÷900x1.25=5.41Vとなる。 定格5Vに対して5.4Vとしているのは、大きな電流を流した時の電圧降下分を考えているのかもしれない。 後は簡単、R2を10KΩの可変抵抗に変えてトリマーを回すとあら不思議、ちゃんと1.5Vの出力電圧に変わった(計算ではR2=200Ωに調整すれば良い)。

キャパシター3個直列にし、改造コンバーターを接続

さあ、いよいよ充電開始で出動準備!
さて、手回し発電機から屋根に搭載したキャパシターに充電してみると、見事走り回ってくれたので大感激! 走行可能時間は1分程でゼンマイ式よりはマシだが、単3乾電池に比べるまでもなく短い。しかし、充電が数十秒で完了するので便利だ。

手回し発電機では、頑張っても12Vを発生させるのが精一杯である。耐電圧5.5Vのキャパシターを3個直列にしているので、耐電圧は16.5Vになる。 とすると、キャパシターに貯められるエネルギーは電圧の2乗に比例するから、16.5Vで充電すれば走行時間は約2分弱までに伸ばせる。

走行時間が短い理由としては、2.2Fと言う小さな静電容量が直列接続により、1/3の0.73Fになってしまっているのと、車体の重く複雑なメカのせいだ。 モーターも1.5Vと低電圧なので、出力に対して電流が大きく効率が低いのも原因している。 実物のHVやEVでは、モーターの効率を上げるのに電圧を上げて、電流を小さくし発熱を避けているそうだ。 HVでは200Vのバッテリー電圧を、三相500V程度にまで引き上げてモーターを駆動しているらしい。 今までは自動車電源は12〜24V止りだったので、整備士の感電のリスクは無かったが、今後は通電したままの電車の整備と同じ程、感電防止に気を使わないといけないだろう。







走行時間延長用12V→24Vコンバーター製作

トリマー調整してキャパシター耐電圧に合わせる
2011年3月7日救急車の走行時間が1分では何とも心もとないので、キャパシターの容量をフルに生かすのに16.5V充電がしたくなった。それで、今度はDC-DCステップアップ・コンバーター作りに挑戦してみた。部品は、もう一つのシガーソケットUSB電源回路から取り外した。 ステップダウン・コンバーターとステップアップ・コンバーターの回路の違いは、コイルとダイオードの位置関係だ。ただ、出力電圧が電解コンデンサーの耐電圧に達するので、新たに耐電圧の高い物に交換する必要があった。


思惑通りに16.5Vを出力した

計算通りに走行時間が倍増し2分以上走れる!
トリマー(可変抵抗)を調整して電圧を変化させてみた。中間点で16V前後を出力するのを確認、万歳三唱! 手回し発電機では疲れるので、今度は12Vのバッテリーから充電する事にした。走行持続時間は計算以上の2分をオーバーし大感激!

DC-DCコンバーターは、とても面白しくも便利な回路が使われています。このHPに解りやすく紹介されていますので覗いてみてください。 身近にあるシガーソケット電源でも使われているのですが、その原理や利便性を我々は意識ぜずにいます。 その作動原理を知ると、結構感激しますよ!



実用回路と構成部品

サイズが、ここまで小さくなった!
2011年3月27日前述の通り、試作回路が成功だったので、今度は実用的な回路に仕上げた。部品間の隙間をなるべく詰めて、コンパクト化を図った。こんなにミニサイズでも、ちゃんと電圧をステップアップする。 F1は使用電圧が16V前後と高いらしいのだが、恐らく点火系の電圧の事で、この様なステップアップ・コンバーターで昇圧しているのでは無いだろうか。 次は、点火系用として大電流を取れる、ステップ・アップコンバーター作りに挑戦してみたいと思っている。もっとも、「エレ来てる」があれば、この様な電源回路は不必要かも?



大電流用ステップアップ・コンバーター試作品

出力電圧16.5Vが出るまでこぎつけた!
2011年4月1日今日は、部屋の中でも昨日よりガイガーカウンターの反応が強い。 昨日、雨の中で着た服を計測したら、肩の部分で通常の3倍程度の反応が出て気味が悪い。やはり、雨が降ると放射性物質も一緒に空から落ちて来て、乾いた後の粉塵が舞い上がっているのだろう。 健康に害は無いレベルとは言え、被曝は積み重ね量らしいので外出時はマスクをした方が良いそうだ。

話を本題に戻そう! 点火系電源としても使えそうな、大電流を取れるステップアップ・コンバーターの回路を試作してみた。 前述のステップアップ・コンバーターで、取り出せる最大電流は1.5Aまでだ。それでも、かなりのキャパシティではあるが、点火系電源としては容量が足らない。 たまたま、ラップトップ・パソコン電源用12V→16Vステップアップ・コンバーターの製作実験レポートが某HPにて紹介されていた。 この電源回路なら数Aを流せるので、点火系にも流用できると考え、試作回路作りに挑戦してみた。

前回のステップアップ・コンバーター製作も、慣れない電子工作なのでかなりの時間を要した。 勘所が判ったので、今回はスムーズに製作が進むと踏んでいたのだが、期待は見事に裏切られた。 入力では数Aも流れているのだが、出力では13V以上に電圧が上がらず、FETも瞬間的に過熱してしまう。 強力な発振が行われている証拠の「ブーン」と言う音が出るので気味が悪く、何回も短時間通電でテストするが上手く行かず原因も分からない。

物事とはミリ単位でしか前進しないと自分に言い聞かせ、配線ミスがあるか何回もチェックする。自分で配線したとは言え、この作業はまるでパズルを解く様な集中力を要する。 二段めの増幅回路はSEEP回路と言う、自分としては聞いた事もない、2個のトランジスタをペアで使うプッシュ・プル回路が設定されている。 これは前段のICからの出力で十分な筈なのに、念を入れて強力にFETを振る仕掛けになっいる。 この回路の理屈が判らないで、安易にトランジスタのベースにICからの電流を流せばと考えていた配線ミスが見つかった。

今度こそ大丈夫と電源を入れるが、症状は全く納まらなくお手上げ状態になってしまった。 疲労困憊での作業では、かえって配線ミスを犯すので休息も兼ねて作業を中断。

毎日、電子工作ばかりに時間を費やす訳には行かないのだが、時間を作り再度問題点を洗う。 念のために購入したばかりの電子パーツの品質をチェックする。何と2個使っているツェナー・ダイオードの内の1個の順方向抵抗が大き過ぎるのを発見。 新品パーツも使う前に善し悪しチェックなんて言う、恐らくその筋の専門家では当たり前の事だろうけど、自動車業界では信じられない事を勉強した。

今度こそと、再度通電トライしたがまだ上手く作動しない。くじけそうになりながら、パワー・コイルを大きな物に交換したら大成功、どうも80μHでは小さすぎたみたいだ。 不要になった80μHのコイルは、電源を入れた時の突入電流が大きそうなので、チョーク・コイルに転用してみた。 これは、AC100VからDC12Vを取る安定化電源を使った時の回路の不安定動作を解決してくれた。 まだ作動テストは電圧計測だけなので、負荷を掛け大電流を流しても大丈夫かテストを行う必要がある。



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