オクタン価とは理解されている様で、意外と正しく認識されていないのではないでしょうか。 このガソリン添加剤で、何オクタン上がるのでしょうかとのお問い合わせのメールをいただく事がよくあります。 この御質問の主旨は分かるのですが、お問い合わせしている方自信が正しくオクタン価を理解していない事が殆どです。 恐らくガソリン製造メーカーが、弊社のハイオクは100オクタンですなんて宣伝しているので、それを基準にどの位オクタン価が上げられるのかとの素朴な御質問と思われます。 オクタン価が高い程、良質ガソリンとの誤解が底辺にある様ですので、オクタン価の意味する所を書いてみたいと思います。


燃焼圧力線図

ガソリンエンジンの出力向上の歴史はノッキングとの闘い!
オクタン価とは耐ノック性を表す数値です。エンジンを高出力化するためには点火時期を早めたり、吸入した混合気を充分に圧縮する必要があります。 ただし点火時期を早めたり、圧縮する比率を高くするとノッキングと言う、エンジンにダメージを与える異常燃焼を引き起こしてしまいます。 点火プラグで着火された火炎が速やかに末端まで進むはずが、燃焼による圧力上昇と、火炎や燃焼室内のヒート・スポットからの熱線により、末端部も一気に発火してしまうノッキングと言われる異常燃焼の発生で、エンジンが過熱や焼付けを起こし技術者を悩ましていました。この問題が特にクローズアップされた時期は、第二次世界大戦前夜でした。

軍艦の保有数を制限された日本は、航空機の高性能化に世界に先んじて取り組みました。日本帝国陸海軍爆撃機による、大陸奥深くに位置する重慶に対する渡洋爆撃(世界初の戦略爆撃)の成功と海軍航空部隊による真珠湾攻撃で、航空機によって艦船が撃沈できる事に刺激された各国列強は、大艦巨砲主義から航空戦への戦術転換が急務となり、航空機用エンジンの高出力化にさらに拍車がかかりました。アジアに多大な損害をもたらしたとも言われる日本軍の侵攻ではありますが、「ショウ・ザ・フラッグ」と言う言葉がある通り、アジアに対する欧米の砲艦外交が、日本の航空技術開発よって終わりを告げたとも言えるのかも知れません。

零戦(ゼロ戦)や一式戦(隼)は、高々度を高速で飛行するために手動可変速度式スーパーチャージャー、体積効率とメカニカル・オクタン価を高める頭上弁式(OHV)クロス・フロー型燃焼室に排気バルブの過熱防止用ナトリウム封入バルブが使用されました。現代のスポーツカーがノッキングを防ぐためにオクタン価の高いガソリンが必要なのと同じ状況だったので、異常燃焼を抑えながら馬力を出せる航空機用ガソリンの開発も行われました。欧州戦線でナチスに壊滅的な打撃を与え、空の要塞と言われたB17を初めて撃墜したのは、ダイムラーベンツV12気筒液冷(筒内噴射)エンジン搭載メッサーシュミットやBMW空冷星型エンジン搭載フォッケ・ウルフではなくて、坂井三郎の操縦する20mm機関砲を搭載した零戦(中島飛行機{富士重工}製空冷星型エンジン、機体設計は三菱重工)でした。

日本帝国陸海軍最新鋭戦闘機の隼や零戦に対抗して、続々と開発された米国戦闘機群


ロールス・ロイスV12搭載ムスタング

P&Wダブル・ワスプ搭載コルセア

P&Wダブル・ワスプ搭載サンダーボルト

P&Wダブル・ワスプ搭載ベア・キャット

日本の制空権を奪ったダブル・ワスプ

P&Wダブル・ワスプのカットモデル

トニー・シモンズ氏所有のP51ムスタングのコクピットより


(写真提供 弊社代表の友人のオーストラリアの
シモンズ・ホイール社 トニー・シモンズ氏)

1920年初頭にヨウ素をガソリンに添加する事でノッキングを防止できる発見がなされていましたが、さらに安価で効果の大きい有機鉛が有効と判り、航空機用ガソリンには沸点の高い四エチル鉛が使われだしました。自動車用ハイオクガソリンは大気圧で使用されるので、沸点の低い四メチル鉛が添加されましたが、有機鉛には猛烈な神経毒があり危険防止の為にガソリンに着色がなされました。話はそれますが、日中戦争における日本軍航空部隊の中国本土への戦略爆撃に対して、米国はエチル鉛の対日輸出を禁止しました。急遽、日本はエチル鉛の国産化に成功しますが、悲しいかな大戦末期の神風攻撃機には、激しく燃える性質を持つエチル鉛を燃料タンクに満載して攻撃力を高める工夫がされました。ちなみに理由や入手方法は定かでありませんが、ナチス・ドイツは、米国製エチル鉛に頼って航空戦を続けたそうです。歴史的に有名な バトル・オブ・ブリテンでは、ナチス空軍の3000機(2200機との記述もあり)に対して、英国空軍保有していたホーカー・ハリケーンや新鋭機スピット・ファイアー(ロールスロイスV12気筒搭載)約600機で迎撃し撃退しています(映画にもなって有名)。

航空ショウにてスピットファイアーの勇姿


知られていない史実ですが、日中戦争の時、義勇兵の英国貴族のパイロットが持ち込んだ試作型のスピットファイアと、日本陸軍の谷本少尉操縦の 97式戦闘機とが一騎打ちの空中戦を行い(昭和15年7月12日南京南東の太湖上空)、スピットファイアを撃墜した事がありました。馬力と武装で劣る97式は、対策として試作に終わっていたエチル・アルコール噴射装置を、急遽、現地基地にて装備してエンジンの耐ノック性向上によるパワーアップを図っていたそうです。その後、実戦で使われだした水メタノール噴射は、開発したドイツでは MW50(メタノール、ウォーター50:50の意味か)と呼ばれ、亜酸化窒素を噴射するGM1(戦後米国で商品化されてNOSで有名になりましたが、実はナチス・ドイツの発明品だった。)より安価で、同等の効果と評価されていました。



以前、弊社が開発していた水噴射システム。高圧ボンベより微細な霧をPASS FILTERに噴霧する。吸気温度が下がり耐ノック性が増すので、過給器付エンジンの場合、20%程のトルク向上があった。地上を走る車の場合は水の噴霧だけでよく、高々度飛行用の凍結防止メタノールの混合の必要がない。勿論、メタノールと水を半々で混合すれば、前述の通りの立派なMW50になるシステムだった。昔も同様のシステムがあったが、ウィンドウォッシャーを利用したため圧力が低くて水滴が大きく、タービンに直接噴霧するとインペラが削れて無くなってしまう欠点があった。本システムであれば、タービンに直接噴霧しても削れる心配はなかった。

ノッキングを詳しく説明しますと、燃焼室内で点火された火炎が伝播する前に末端未燃焼部が発火してしまうと衝撃的な圧力上昇が起き、キンキンと響くノッキング特有の異音を発生させます。この異常な圧力上昇による衝撃波が、燃焼室の壁に張り付いている空気の粘性による薄い断熱層(境界層)を剥ぎ取り、火炎が直接に燃焼室やピストン頭部に触れて過熱状態にしてしまいます。特に高回転域でノッキングが連続的に発生すると、15秒程でピストン頭部を溶かす程の威力を持っています。ノッキングの他にデトネーション(音速を超える燃焼で衝撃波を伴う)と言う現象もありますが、厳密に言うとノッキングは未燃焼末端部の着火とデトネーションが混じりあって起きています。最近では高圧縮、高回転型エンジンが開発されて、ノッキングともデトネーションとも異なる、「ランブル」と言われる異常燃焼も見つかっていますが、従来の耐ノック剤では防止できません。

「ランブル」は、圧縮比が9.5以上のエンジンで起こる早期着火の一種です。従来の早期着火は、部分的なヒートスポットからの点火で起きますが、この早期着火は、燃焼室全体に付着している堆積物が着火の原因となります。「ランブル」が起きると、クランクシャフトを含む色々な箇所から異常な振動が起こり、摩擦の増大や過熱が起きます。この異常燃焼はオクタン価には関係ないので、オクタン・ブースターでは防止できません。リン系の添加剤が有効とされていますが、燃焼室に堆積物を残さない清浄効果に優れたガソリンが必要でしょう。

オクタン価とは本来、1000rpm以下の低い回転域での耐ノック性を表します。しかしながら、一瞬でエンジン・ブローの原因となる高回転域でのノッキング現象は、未だに未解明の部分があります。そう言った意味で、高回転域でのノッキングと受け取られている異常燃焼が、実は「ランブル」現象の場合もあるかと思われます。一般的に、高回転域でのノッキング防止策は、燃料を過剰に噴射して燃料冷却をする事です。この手法はターボ・エンジンで良く用いられていますが、緻密な計算をしてみると、過剰噴射されるガソリンが、混合気を冷やすのには間違いないそうです。専門家でも、冷却効果以上理屈が解らないので、深入りして考えている方は少ない様です。しかしながら、少し視点を変えてみますと、過剰な燃料で燃えている炎は還元炎とか還元雰囲気と言われます。この還元雰囲気が実は、高回転域での耐ノック性を高めている可能性があるのです。全てでないにしても、一般的に言われている高回転域のノッキングの一部が「ランブル」だとすると、燃焼室の温度低下と共に、還元雰囲気に於いて早期着火を防いでいるとすると理に適っていると思うのです。燃焼工学の常識として、空気とガスの混合比が、薄すぎても濃すぎても燃焼がスムーズに行きませんから、当然、燃料が極端に薄すいとノッキングは起こりにくくなります(省エネ・エンジンで希薄燃焼が採用されているが、パワーダウンや着火不良が起きるので技術的にエンジン・コントロールが難しい)。エンジン・サイズに対してあまりに過大なパワーを求め過ぎると、異常燃焼と言う罠が待ち構えているのです。


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有機金属がガソリンに添加されると耐ノック性がでるのは、金属の持つ自由電子の働きによるのです。 名前どおり、自由電子は動きの活発な電子ですので、ガソリンの成分の炭化水素と酸素の結合の手助けをする燃焼触媒として働き、 結果的に火炎伝播速度が上ってノッキングを防ぐのです(燃焼が速やかに終了し、燃焼室温度が下って自己発火が起きる前に燃焼が終了してしまう)。 ただし、有機鉛は容易に人体細胞に入り込み、鉛等の自由電子が神経細胞のシナプス部の電子による神経伝達機能を乱す猛烈な神経毒なので、 現在は航空機用ガソリン以外では添加を禁止されている(今、問題になっている魚介類から摂取するメチル水銀も同じ原理で神経伝達に悪影響を及ぼす)。

以上、述べた経緯から自動車用ガソリンは無鉛ガソリンとなりました。 石油メーカーは低オクタン価の直留ガソリンから、高オクタン価の軽質分解ガソリン+アルキレート・ガソリンに比重を高めて無鉛ガソリンを開発しました。近年では酸素を含む化学合成品(MTBE等)もブレンドしている様です。石油製品のブレンド技術は、特許を取らずに企業秘密として公開されない場合が多く、 ガソリン成分も石油メーカーごとに異なり(季節や使用される地域によってもブレンド比率は異なる)、正確な成分比率は知りようもない事をお断りしておきます。

苦労の末に開発した無鉛ガソリンですが、ここで大きな課題が出てきたのです。燃焼触媒でもある四メチル鉛を使用しないでオクタン価を上げたので、吸気系から燃焼室にかけての汚れが酷くなり、現在は清浄剤や助燃剤が添加されています。しかし、これらの添加剤による弊害でオクタン価の低下があり、初期の100オクタンが現在ではかなり落ちているのが現状です。

当初、自動車メーカーが、新しく登場した無鉛ガソリンでエンジンの長時間運転テストをしたところ、吸気バルブの汚れや燃焼室に多量のカーボンが付着する事が判ったのです(有名なGTカーのエンジン開発をした方から直接お聞きした事がありました)。この弊害を是正するのに助燃剤が添加されて現在にいたるのですが、清浄剤入りガソリンとして売られているのは、この弊害を緩和しているとの意味で、決して大サービスの高性能ガソリンと言う訳ではないのです。

使われている助燃剤はオクタン・ブースターとは逆の働きをしますので、無鉛ハイオクのオクタン価は開発当初より下がっているのが実情です。それに加えて品質確保法により、96%までのガソリン純度で合法となりますので、かなりの割合で灯油が混ぜられた、オクタン価の低いハイオク・ガソリンが販売されている可能性も考えられます。従って一円でも安いガソリン・スタンドを探すのは安物買いの銭失いになる場合があります。

以前、PASS FILTERの仕事で初めてオーストラリアに出張した時の事ですが、 ガソリン車のマフラー出口の内側がチョークでも塗った様に真っ白になっているのに気が付きました。この頃、オーストラリアでは依然として有鉛ガソリンが使われていたので、 有機鉛の燃焼触媒効果の完全燃焼によりカーボンが発生せず、燃焼により酸化した鉛(昔の白粉の原料)がマフラーにべっとりと付着していた訳です。私の子供頃の記憶でも、自動車のマフラー出口の内側にはカーボンの付着は無くキレイだったですね。これは有機鉛(メチル鉛)が添加されていた証拠でしょう。

直留ガソリンの場合のオクタン価は原油の産地で異なるので、 イソオクタンとノルマルヘプタンの混合物を基準燃料とし、その混合比率でオクタン価を表す事になりました(1927年に米国のグラハム・エドガーによって提唱された)。 イソオクタン100%の燃料はオクタン価100、ノルマルヘプタン100%の場合は0オクタンとなります。 イソオクタン90%、ノルマルヘプタン10%の混合燃料と同等な耐ノック性を持つガソリンは90オクタンとなります。

100以上のオクタン価はと言うと、厳密にはオクタン価と言わず出力価(パフォーマンス・ナンバーまたは、PN)と呼ばれ、航空機用ガソリン等で使われます。例えば110PNのガソリンは、イソオクタン(100オクタン)に10%のベンゼンを加えた燃料と等価の耐ノック性を持つ事を意味します。 PNがイソオクタンに加えられたベンゼンの比率である事は、恐らくネット・レベルでは当HPが初めて公開する話ではないでしょうか。

それでは次の話題に移りますが、オクタン価と言っても、実はこんなに種類があるんです。

◎リサーチ法オクタン価
◎モーター法オクタン価
◎アンチノックインデックス・オクタン価
◎走行オクタン価
◎メカニカルオクタン価

各オクタン価の説明をいたします。

◎リサーチ法オクタン価
日本やヨーロッパ各国で採用されているオクタン価で、CFRエンジンと呼ばれるオクタン価測定専用エンジンで測定された値。 回転数600±6rpm、上死点前13度点火で、どちらかと言うと低速回転域での耐ノック性を表します。

◎モーター法オクタン価
ドイツ、イギリス、北欧で採用されているオクタン価で、同じくCFRエンジンを使用するが、測定時の回転数が若干高めで、 900±9rpm、上死点点火。

◎アンチノックインデックス・オクタン価
主に北米で採用されているオクタン価で、リサーチ法オクタン価とモーター法オクタン価の平均値で表します。

◎走行オクタン価
リサーチ法、モーター法共にテスト専用のエンジンで測定するが、走行オクタン価は実際の自動車を走らせて、オクタン価の判っている標準ガソリンと測定するガソリンを比較したオクタン価。リサーチ法に比べて低めの値になるが、その差をロード損失と言います。 この方法が一番現実的。自分の車に使って一番良いガソリンが良いに決まっているが、その測定データーは他の車では参考程度にしかならない場合もある(自分が良ければ、他人は関係ないかも)。

◎メカニカルオクタン価
この基準は燃料たるガソリンではなく、エンジンの設計上でどれだけ耐ノック性を持たせているかの評価になります。 同じオクタン価のガソリンを使用しても、燃焼室形状やその他の設計の違いでノッキングの発生度合いは異なります。 例えば、高性能バイクは高い圧縮比を持つエンジンながら、レギュラーガソリンを指定している場合が多いのは、メカニカルオクタン価が充分高いからです。 これらのエンジンにハイオクを多用すると、燃焼室が真っ黒になりエンジントラブルの原因になる場合もあるので要注意です。

まとめ
以上、述べましたとおりオクタン価と言ってもとても奥が深いのです。リサーチ法オクタン価とモーター法オクタン価では、原油から直接蒸留された直留ガソリンでは大差はでませんが、最近主流になっている分解ガソリンですとモーター法に比べ、リサーチ法は10オクタン程低い値となります(その差をガソリンのセンシティビティーと言います)。 ランチャの日本語版カタログを見た時に、推奨するガソリンのオクタン価はリサーチ法かモーター法か明記してありませんでしたが、とにかく95オクタンでした。 簡単に95オクタンと言いますが、国内で販売されているガソリンの品質からみると、安売り店を敬遠しても入手は至難の技でしょう。

よく欧州車ディーラーが、オクタン価の低いガソリンによるオーバーヒートで悩んでいると聞きます。この様な問題を解決するには、オクタン・ブースターを利用する他に手はありません。 しかし、要求オクタン価がさほど高くない車まで、必要以上にオクタン価の高いガソリンを使用するとバイクの例のごとく、燃焼室が真っ黒 になってしまう弊害もあるのを忘れないでください。勿論、粗悪ガソリンはエンジン・ブローやオーバーヒートの原因になる場合もあるので、適切な燃料添加剤を使うのも大事です。

一口に燃料添加剤と言っても、ノッキング防止だけが目的のオクタン・ブースターと呼ばれる製品と、燃焼促進効果を主に重視し清浄効果とパワーアップを狙った製品に別れます。 勿論、これら両特性はオーバーラップする部分もありますので簡単ではありませんが、燃料添加剤=オクタン・ブースターと早とちりしないでください。 有機金属系の添加剤は、どちらかと言えばオクタン・ブースターのジャンルに入り、 低回転域の吸気速度の遅い層流域が多い場合(レイノルズ数が小さい)に火炎伝播速度を上げてノッキングを防ぎ、低回転域でのトルクアップにも貢献します。 ニトロ系は燃焼促進剤ですが、火炎伝播速度を早くして高回転域での着火遅れを防せぎノッキングを押さえると共に燃焼室の温度を下げ、高回転域でのトルクアップをします。ニトロ=過熱も早とちりの一つです(勿論、原材料の選定や添加量を間違えると逆効果もあります)。

前述の2種以外に、酵素を使ってガソリン分子構造を微細化(消化酵素みたいな働き)して燃えやすくする酵素系があります。燃焼工学が遅れていると言われる日本でも、京都大学が頑張って植物由来の酵素による燃焼改善添加剤が開発されています。 この植物酵素系のガソリン添加剤はかなり昔より発売されていて、商品名を言えば年配の方はハハーンとなる筈です。ただし、酵素系はガソリン改質に時間が掛かるので、即効性がない短所があります。

よく誤解されている事ですが、燃えやすいガソリン=低オクタンではありません。正確に言うと引火性が高く、自己着火性が低い燃料のオクタン価が高いのです。 燃えやすい燃料=オクタン価が低い説ですと、ドラッグレースのトップ・フューエルで使用されているニトロ・メタンは説明不可になってしまいます。 実はニトロ・メタンのオクタン価は相当高いので、ハイパワー・レーシングエンジンに使用されるのです。

自動車工学や燃焼工学は非常に奥が深い分野です。勿論、現場での経験を否定する訳ではありませんが、セミプロ・レベルの方達程、勝手な思い込みで発言している傾向があります。 エンジン開発の専門家は、燃焼工学を充分に理解しているとは言えませんし、燃焼工学専門の方(ケミカル屋)がメカを充分に理解しているとは限りません。 このHPを書いている当方の経験から、世界的にトップレベルにある技術者程、謙虚で他の方の話を良く聴く傾向があります。 日本は軍備を放棄した関係からか、特に燃焼工学は欧米列強に比べて遅れている傾向があります。 ほんの10年程前まで、米国の燃焼解析ソフトは技術流出を恐れて日本に売ってくれませんでした。幸か不幸か日本の燃焼工学は、欧米にやや遅れを取っていると言うのが正直な所です。

今後、プロパンやメタン、アルコール等のオットーサイクル・エンジン(ガソリン・エンジンやガス・エンジンの正式な名前)に使用可能な燃料のオクタン価も書いて行きたいと思っております。

本HPは燃料に関する知識が広まれば良いと思い、学生時代に勉強した内容を思い出しながら書いております。従いましてリンクはフリーですが、知識が広まるのは良いとしても、本HPの重要な箇所をまる写しして、あたかもご自分が書いた様なHPが見受けられます。 本文は著作権法により無断転載は禁止されております!違法行為を見つけられた場合、ご一報を頂ければ嬉しく存じます。

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<2007/2/23>水噴射の解説を追記
<2007/2/20>オクタンブースター有機鉛の開発の歴史と97式戦に関して加筆
<2007/2/21>「ランブル」に関して追記




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