トランシーバーの軽カー版、免許不要の送信出力0.01W(10mW)特小トランシーバー!


ユピテルCT-570製特小トランシーバー10mW

アマチュア無線用トランシーバー230mW
<2010/06/01>携帯電話が普及する前に一時流行した免許不要の特小トランシーバーだが、 微小な送信出力(10mw)と携帯電話の普及で、すっかり忘れられてしまった。しかしながら、その昔の500mwCBトランシーバーと比べ出力は1/50になったとは言え、 FM変調と受信回路の性能アップ(ダブル・スーパーヘテロダイン採用)で意外と良く電波が飛ぶと言うのが使った実感だ。高速道路上の見通せる環境なら1km弱離れても通話できそうだ。 なにより連絡をするのにダイヤルする手間が無く、スピーカ・マイクを接続していればハンズ・フリー感覚で瞬時に通話できるのが便利だ。

特小トランシーバーはユピテル製CT-570だが、アンテナが長く性能が良さそうなのと、ともかく格安だったのでネット通販 で入手してみた。弊社の位置は港区の中心地で高層ビルの谷間だが、結構通話距離が稼げるので驚いている。しかし、本格的なアマチュア無線用トランシーバーとの性能の差が気になるので比較実験をしてみた。

学研の電子ブロックでパワーチェック

電界強度計の回路を組む
車と同じでパワーチェックとなるが、トランシーバーでは電界強度計が必須となる。とは言え簡単に手に入るものではないので、何とか有り合わせで自作できないかと思案していたのだが、 思いついたのは団塊世代が子供の時にお世話になった学研の電子ブロックだった。学研はこの電子ブロックをリバイバル版 で販売していたので買ってあったのだ。ただし、付録の本に付いている電界強度計の回路図は、ラジオ等で使われる中波用だったので、特小トランシーバーの430Mhz(極超短波)には使えない。 他の参考書をひっくり返しては読み返し、極超短波でも測れる回路を考えて組んでみた。幸いオプションのブロック(電子部品)の買い置きがあったので上手くいった。


特小トランシーバーでの針の振れ

アマチュア無線用では針が振り切れてしまった
特小トランシーバーとアマチュア無線用トランシーバーとのパワーの差は歴然だった。それもその筈、パワー差では23倍だから軽カーとF1位の開きがあるのだ。 しかしながら、無線の世界では「1.環境 2.アンテナ 3.パワー 4.機器」なのだ。実際に使った感じでは、軽カーとリッター・カー程の差しか感じない。 特小トランシーバーは10mwと微々たる出力なので、どれ程の効果があるかは疑問だが、念のために電池端子の汚れを落として電池との導通を良くしておく位の気配りはしておくべきだ。

それでも微々たる出力で、通話距離が期待していたより短いと感じたりする場合もあるが、誰でも免許不要で気軽に買える値段の特小トランシーバーを再考してみてはどうだろうか。 勿論、遠距離通話は現在では携帯電話があるし、そんなに遠距離の通話をトランシーバーに求める時代ではなくなっている。 震災時には携帯電話は不通になるなど、文明の利器には落とし穴もあるので、家族や友人同士で複数台持っていると、いざと言う時も安心である。


IC-R5受信感度アップの「八木モドキ」

小型で定評のあるICOM社製レシーバーIC-R5
某HPにて八木アンテナの原理を利用した、受信感度アップする「八木モドキ」と言うのを見たので早速自作してみた。 特小では普通となったダブル・スーパーヘテロダインの上を行く、トリプル・スーパーヘテロダインと言う物凄い受信回路を持つ ICOM社製受信専用レシーバーIC-R5をしかるべき位置に置き、特小トランシーバーからの受信感度が上がるか実験をしてみた。

アンテナ材料は、針金と洗濯屋でくれる針金ハンガーを利用した簡単な物だが、結果は意外な程で受信可能距離は倍近くに伸びている。 例えばIC-R5を相手方とこちらの双方に置き、お互いの特小トランシーバーからは異なった送信チャンネルで送信すれば、電話みたいな同時相互通話が出来、通話距離も稼げる筈だ。 ただ、八木アンテナはレーダーに使われた位に指向性が強く、方向が合わないと効率はかえってガタ落ちになる。 従って移動している相手からの受信には向いていないのでやや離れた固定局同士に限定される。

電波の来る方向に置く針金(導波器)は長さ28cmの針金、レシーバーの後ろに置く太めの針金(反射器)は長さ36cmで間隔は33cmにし、間隔を簡単に調整できるロート台にガムテープで貼り付けただけの簡単な物。 レシーバーは導波器から13cm、反射器から20cmの所に置く(写真では間隔が逆になってしまった)。反射器は導波器と同じ一本の針金でも可だが、より反射効率の良いダイポール型にしてみた。  

何故、このアンテナに八木と言う日本人名が付いているのかと言うと、この指向性アンテナは戦前に東北帝大の八木博士が実験中に、傍に置いてあった針金の位置関係から、特定方向から来る電波が集中する現象を偶然発見し、宇田博士が研究発展させたものらしい。 このパテントを知ったヨーロッパ人が、すぐにレーダーの開発に応用したらしいのだが、戦争中レーダーを捕獲した日本軍は一緒に捕らえた捕虜の英兵から「YAGI ANTENA」と言われても、さっぱり意味が判らなかったらしい。 当の英兵も、日本軍がこのアンテナの発明者が日本人だと知らなかった事を最後まで信じられなかったそうだ。

<2011/3/23>災害時の連絡にはトランシーバー!
3月11日の震災の後、全国的に電話が通じずに大混乱に陥いった。携帯電話の普及で廃れていたトランシーバーだが、災害時に最も頼りになる。当方の住む高層マンションでは、地震の揺れでエレベーターがストップしたが、携帯電話による防災、警備を考えていた管理会社に、災害時には役に立たないと説得し、送信出力5Wの業務用トランシーバーを用意させていたのが今回は幸いした。その業務用トランシーバーは、米軍や県警で実績のあるモトローラ製の強力な物だが、電波法により誰でも簡単に持てる代物ではない。

ところが諦めるのは早い、誰でも無免許で買える特少と称されるトランシーバーがあったのだ。出力こそ0.01Wと、業務用の1/500に過ぎないが、使ってみるとなかなか大した働きをする。 受信回路も一昔前では、海外放送を聞く専門のラジオに採用されていた、ダブル・スーパーヘテロダインなんてのが、当たり前に使われているのだ。 無線の通信可能な距離は、出力で決まると思われるが、前述の通り、1.環境、2.アンテナ、3.出力、4.機器の順なのだ。マニアの中には、山頂に登ってどれだけ遠くの局と話せるかに挑戦している方もいて、 何と数百kmの距離で話せる場合もあるらしい。

勿論、どこでもそんな長距離通信が出来る訳はないので、建物が多い市街地では数百mが限度になる。しかしながら、建物がまばらな郊外になると1〜2kmは楽勝で話せる。 また、市街地でも高い建物の屋上からだとかなりの距離を稼げる。更に便利なのは、レピーター(中継器)機能を搭載したトランシーバーもあって、これをアンテナ代わりに高い所に設置しておくと、 下手な業務用無線より通話距離が稼げる事がある。

いざ、特小トランシーバーを買おうとするとピンからキリまで各種売られいる。通話距離重視しで選ぶなら、上記の要な値段が安い特売品は避け、1/4波長のなるべく長いアンテナを装備している機種が良い。大げさな言い方をすると、これなら0.2W程度のアマチュア無線用と比べ、リッターカーに対して軽カー位の働きはしてくれる。1/4波長のなるべく長いアンテナを装備しているユピテルCT-570が値段もお手頃で性能も良かったが、現在7では生産中止になったのが残念だ。

通話距離を延ばす奥の手だが、マニアの間で「八木モドキ」と言われる、トランシーバーの両脇に2本の針金を立てる方法がある。 これは、無線機を改造していないので違法か合法かで論争が起きたが、違法だと言う結果に落ち着いたらしい。 ただし、刑法では緊急避難と言う概念があって、ある違法行為によって被る損失より、それによって守れる権利が大きい場合は、これを罰しない大原則があるので、遭難事や災害時に、自己または他人の生命財産を守るのに役に立つ知恵だと思う。針金があれば、適切な長さに切って地面や台の上に立てれば良く、方向性はあるが通話距離で5割増しから倍程度は軽く稼げる筈だ。


防水ケースにセットした中継器兼用DJ-R100D

中継器対応のDJ-CH27、DJ-R20D
<2011/04/23> レピーター(中継器)機能を搭載した特小トランシーバーを利用して、広範囲で交信できるシステムの構築にトライしてみた。 M8クラスの余震が心配される関東地方だが、震災事の携帯電話が繋がらない事に危機感を感じ、防災連絡用の通信システムの必要性を感じている。 何とか安くて簡単な通信システムが出来ないかを考えていたが、特小トランシーバーで認可されているレピーター・システムが意外と役立ちそうなのが判った。

10mWと微弱な送信出力とアンテナの変更が認められていない特小トランシーバーだが、レピーター機能を持つ機種があるので、それを中継器として高い所に設置すれば、高所にアンテナを設置するのと同じ事になる。 そもそも、強力な業務用トランシーバーは、上空からとかビルの高階層からの送信が禁止されているが、無免許運営が出来る特小ではその制限はない。 従って、中継器を山頂や高いビルの屋上に設置すれば、その微弱な送信出力でもかなり活躍できるのではと考えた。

試しに高層ビルの立ち並ぶ都心ではあるが、DJ-R100Dを高い所にを持って行って中継器にすると、見通し出来る場所だと通信距離は数kmにも達した。これは、山手線の半径にも相当するので、防災連絡用としては十分である。

ただし、屋外での中継器の設置には幾つかの問題をクリアーせねばならない。まず、高所での電源確保と、その電源が停電しても通信機能を保持できる必要がある。また、雨や直射日光にさらされるので、強靭な全天候型のボディーが要求される。これらの諸条件を調べてみると、アルインコ社のDJ-R100Dは、中継器の機能を持つと共に、外部電源がダウンしても、自動的に内蔵されているバッテリーで駆動できるフローティング充電システムが使われている。ボディーも防水性があり、野外中継用としては最適である。

防水性のボディーを持つDJ-R100Dではあっても、外部電源からの配線部を雨から守る必要がある。そこで秋葉原に防水ボックスを探しに行くと、エスエス無線さんで、丁度手頃な物が見つかった。早速買い求め、側面に電源ケーブルを引き込む穴をあけて、ケーブルとケースの穴の隙間から雨水が入らない様にネジ式のスリーブを取り付けた。電源ケーブルは耐気候製の高い特殊被服の物を選ばないと、野外での常設には耐えられない。箱の中だが、DJ-R100Dと充電器とタイラップで固定し、耐熱性両面テープで台にもなっている充電器をケースの底に固定した。

中継器の子機として、手持ちの特小では対応していないので、中継器対応のDJ-CH27、DJ-R20Dを買い求めた。DJ-CH27は新製品で非常にコンパクト軽量、リチウム・イオン電池と充電器が標準でパックされていながら、販売価格はリーズナブルである。後に遠距離通信と中継器としての機能で人気のあるDJ-R20Dも買い足した。持ち歩きには、軽量小型なDJ-CH27は便利で受信感度も合格点だ。しかし、流石に数百km間での通信記録を持つDJ-R20Dの受信感度には敬服した。同じ場所に受信感度で優れるユピテルCT-570を置いても、CT-570で受信できない程、遠くの微弱な会話の交信もDJ-R20Dでは聞き取れてしまった。 DJ-R20Dはボディの設計にラフな点は感じるが、価格も手頃で高機能の割に扱い易く、それ自体も中継器として使えるので、流石にベストセラーの特小トランシーバーと感じた。

通信網が切断されている被災地では、特小の中継器をロケーションの良い所に設置すれば、かなり活躍すると思われる。問題は電源だが、たまたま自動車用バッテリー電源上がりを防ぐ太陽電池が手元にあるので、今度は太陽電池と小型密閉式鉛バッテリーを使った電源自立型の中継器システムを作ってみたい。


太陽電池から密閉型鉛バッテリーに充電テスト

発電能力や如何に!
<2011/04/24> 太陽電池と小型密閉式鉛バッテリーを使った、災害時連絡用特小トランシーバー中継器の自立電源を作りたく、自動車用バッテリー上がり防止太陽電池の発電能力を探ってみた。スペックは、発電能力が最高2Wの中国製だ。、 12V時での電流を計算すると160mAは出せる事になる。

手持ちの小型密閉式鉛バッテリー12V-7Ahに、太陽電池を繋いで充電能力を探ってみた。バッテリーは粗満杯の状態で、充電電流は30mAを少々上回っている。 太陽電池の開放発電電圧が19Vも有ったので、過充電にならないかと心配だったが、端子電圧が13Vバッテリーに繋いでみると、その電圧に全く変化は無かった。 密閉型鉛電池の低めとされるフロート充電電圧でも13.8Vだから、過充電にはならないので一安心。 逆に特小トランシーバーを接続した時の消費電力50〜75mAを賄えるか心配になった。 バッテリー電圧が下がってくると、充電電流はもう少し増える筈だから、何とか自立電源にはなると思うが、トランシーバーに接続するミニ・プラグがないので接続実験は出来なかった。

秋葉原で適合するDCプラグを探して実験をしてみるつもりだが、ちょっと気になったのはコストダウンのせいか、逆流防止ダイオードが内蔵されていないのだ。 これでは、日が当らない時はバッテリーから電流が逆流してバッテリー上がりの原因になってしまう。これを防ぐには、ショットキ・ダイオードを太陽電池とバッテリーの間に噛ます必要がある。 ちょっとした事だが、基本中の基本で大事な点である。これは買い置きがあったので、次回は接続するつもりである。

<2011/04/27> DJ-R20Dを24時間程密閉型鉛電池に接続し、端子電圧を12Vまで降下させてから太陽電池に繋ぎ、充電電流を測ってみた。 結果は、相変わらず20mA〜30mAしか流れていない。中継器として使う特小トランシーバーの平均消費電流を60mAとすると、一日で1.4Ahとなる。 平均日照からみて、太陽電池の稼働率を一日6時間とすると、公称2Wの太陽電池が発電する電力は一日当たり0.15Ahにしかならない。 これから計算すると、バッテリーが上がらない太陽電池の出力は公称で20Wが必要になる。 太陽電池の耐用年数内で発電するエネルギーは、それを製造するエネルギーにもならないとの某大学教授の論を読んだ事がある。 たかが、オモチャに近い消費電力の特小トランシーバーの電源確保で、これ程の太陽電池を必要とすると、現実問題、代替えエネルギーを太陽電池でなんて到底無理な話だ。


貧弱な2Wではなく8Wタイプの太陽電池でどうだ!

驚きの発電能力
<2011/04/30> 2Wの中国製はあまりにも貧弱な発電能力と、逆流防止ダイオードが内蔵されていないので、本来の使い方の陽の当たるダッシュボードに置いて、自動車のバッテリーの補充電に使えるか甚だ疑問だ。 それで、太陽電池の信頼を取り戻す為に、安くて高性能な太陽電池が販売されていないか探してみた。

8Wタイプが4,000円台から販売している会社があったので、すぐにネット注文、翌日には代引きで届いたのには敬服。 薄曇りの今朝、時たま雲間から太陽が顔を出すと、いきなり充電電圧が15V超で驚いた。サイクル充電でも、この電圧では高すぎて過充電になってしまうのではと心配な程の電圧だ。 事実、取説ではバッテリーに直接接続せずに、チャージャーコントローラーを通して充電と書いてある。 充電電流も軽く100mAを超えているので、これなら行けそうだ。最近は、中国製だなんて馬鹿にできない高性能ぶりだ。 逆流防止ダイオード内蔵で、オマケに耐蝕アルミのフレームに防水構造となっているから、ステーさえ用意できれば野外設置が直ちにオッケーなのも気に入った。

さらに高出力タイプも扱っているので、システムさえ自作すれば、結構安いコストで太陽光発電の家ができるかもしれない。 参考にだが、現在の火力発電のコスト20円/kwに対して、大手電機メーカーの太陽光発電システムが平均60円/kwらしい。 最近の太陽電池の性能向上は素晴らしく、製造エネルギーを2年で発電してしまう物も出現しているみたいだ。


DJ-R20Dと鉛電池を太陽電池に接続してみた
<2011/05/02> 8Wの出力とは言え、日照時間の平均稼働率からみて必要な、200mAの充電電流は発電できなかった。当初の計算通り、DJ-R20Dを稼働するには20Wを出力できる太陽電池が必要だ。 やはりオモチャ程度の消費電力の機器を稼働させるのに、こんな大きな太陽電池パネルが必要だなんて、クリーンな代替えエネルギーとしては前途多難である。


8Wタイプから携帯電話へ充電!

8Wより大型の15Wも用意した。
<2011/07/14> 毎日、暑い日が続いていて電力消費もうなぎ上りの今日この頃、突然の計画停電が始まってたら、たまったものではない。停電時に携帯電話のバッテリー上がりが重なったら、それこそ最悪だ。 それで気が付いたのだが、太陽電池は12V仕様だから、これにシガーソケットタイプの携帯充電器を接続し、窓際で充電できる筈。

充電電流を見ると100mA前後で推移しているので、満タン充電には半日掛かるが、これなら既存の小さな携帯電話充電用太陽電池なんかは玩具の子供騙しに見える。 ややかさばるものの、15Wも入手したのでこれなら満タン充電には数時間でオッケーだろう。



サンヨー・エネループ・バイク用バッテリー

このバッテリーから携帯電話を充電できるかテスト!
2011年10月27日想定外の災難が打ち続く昨今、災害等で停電した場合に通信手段の確保は最も大事である。 停電時に携帯電話のバッテリーが上がったら万事休す。そこで身近になってきた電動自転車のバッテリーを非常用電源にして携帯電話が充電できないか実験してみた。

当方が愛用するサンヨー・エネループ・バイク用リチウムイオン・バッテリー(CY-EB60)の仕様を見ると25.2Vで5.7Ahの容量を持っている。勿論これはスペック上の値で、満充電時には開放電圧は29V位まで上がる。 12V換算では10Ah以上の容量となるから、非常用電源として身近にあるのは頼もしい。 自動車のシガーソケットから携帯電話を充電するデバイスは、大方ディーゼル車で使う場合も考慮して24Vまで対応している。 回路にDC-DCダウン・コンバーターを内蔵しているので、耐電圧は30V程度まで充分余裕がある筈だ。

ところでバッテリーを外して接続端子部を見ると、何と5個も穴がありプラスとマイナスしか知らない当方としては当惑気味。 それではと自転車に実装しているのと同じ結線にし、走りながらテスターで各電極の電圧を計測してみた。 上記左の写真では黒色部にある端子の穴が良く見えないが、上側に三つ、下側に二つの端子が並んでいる。 100Vからの専用充電器では合計五つの端子すべてに対応する接点が用意されているが、自転車には上側三つに接続する端子しかない。 走りながらの実測では、加速時には右側+端子と真ん中の-端子でモーター用に電力を供給(負荷が大きいと22Vまで電圧が降下する)。 減速時の回生充電用には右側+端子と左側-端子と接続される(充電電圧が最大で27Vまで上がる)。

理屈から言えば、充電用電源としてモーター駆動用の端子から電源を取れば良いのだが、充電器を接続しいざ充電となると電圧が4V前後しか出ない。 バッテリーケースの中には複雑な回路基盤が入っているので、この端子からは安全を期してモーター駆動用のインバーター回路以外に接続すると自動的に遮断するのではと思った。 それではダメ元と、回生充電用の端子に接続すると見事28Vの電圧を維持、携帯電話を元気に充電している。 念の為危険がないか電流計を経由してみたが、160mA前後の電流で推移しているから問題ないだろう。

注意 電動自転車用バッテリーは目的外の使用は認められていません。今回の実験は、あくまでも緊急時に非常用バッテリーとして使えるかどうか可能性を調べただけのものです。 端子の並び順や端子電圧も自転車メーカーによって異なるかも知れませんので、電気知識の無い方がこの使い方をするのは非常に危険を伴います。万が一、電動自転車用バッテリーで携帯電話を充電しなければならない場合は、くれぐれも自己責任にて御願いをいたします。



最大電圧30V DC-DCステップアップ・コンバーター

12V→25.2Vエネループバッテリーに充電できるか?
2011年11月12日引き続きの実験だが、災害等で道路が渋滞していたり、障害物が道路上に散乱している場合、 全輪駆動でもあるサンヨーエネループ・バイクは連絡や買い物にとても頼りになる移動手段だ。 しかしながら、停電時にこの電動自転車のバッテリーが上がったら万事休す。そこで自動車用12Vバッテリーを非常用電源にして電動自転車用バッテリーが充電できないか実験してみた。

エネループ・バイクはリチウムイオン・バッテリー(25.2Vで5.7Ah)を搭載している。リチウムイオン・バッテリーは充電方法が難しいと言われ、間違った充電方法だとバッテリーが壊れたり発火してとても危険なバッテリーである。 そこでリチウムイオン・バッテリーの充電方法を調べてみた。まず充電電流が1Cを超えない事となっている。この意味は5.7Ahのバッテリー容量から5.7Aを超えない最大充電電流を守ると言う事を意味する。 また、1セル当たり4.2Vを超えない電圧で充電すると言う二つの条件を満たさねばならないのが判った。

この充電方法は、端子電圧の低い充電初期から途中までは充電電流を5.7A以下に押さえて、後半は1セル当たり4.2Vを超えない充電電圧にするので、前半は定電流、後半は定電圧で充電する方法なのだ。 このバッテリーの電圧は公称で25.2Vなので、単セル3.6Vで7セルとすると丁度計算が合う。そうすると後半での充電電圧は4.2VX7=29.4Vとなる。

勿論この充電方法は、満タン100%充電する時の充電条件なので、70%程度までの充電が出来れば良いとすれば、かなり充電方法が簡単で安全になる。 事実、エンジン・ブレーキではなくモーター・ブレーキ時の回生充電電圧は27Vだった。これは、過充電によるバッテリーのパンクを防ぐ手法であろう。 そこで思いついたのが、 DC-DCステップアップ・コンバーターを使う方法だ。幸い、30Wタイプの自作キットが通販で見つかったので早速ゲット!

このステップアップ・コンバーターの回路は比較的シンプルなので、簡単に組み立てが出来た(多少のハンダ付けの慣れは必要)。 恐る恐る、小型密閉型12Vバッテリーを電源とし、DC-DCステップアップ・コンバーター経由でエネループ・バイク用バッテリーに接続。 充電電圧は回生充電電圧と同じ27Vに設定し、充電電流を計測してみた。電流は0.7A前後で、充電が進むと端子電圧の上昇で電流は減少傾向になるのが判った。 ただし、バッテリーが空の状態から27Vで充電すると、30Wしかないステップアップ・コンバーターの容量を超えてしまい、3Aのヒューズが切れてしまう筈だ。 当然、この様な場合は電流計を見ながらステップアップ・コンバーターに付いている出力電圧調整用トリマーを調整し電圧を下げる必要がある。 この問題を解決する方法として、定電流回路を新しく設けるか、この30Wステップアップ・コンバーターを2台用意し並列接続して60Wにする事も考えられる。

一番の正攻法は、12Vをインバーターで100Vにして専用充電器で充電する事だ。しかし、ステップアップ・コンバーター+インバーターではあまりにもロスが多すぎる(効率80%X2台=64%)。 このロスの少ない方法で実験を行ったのは、先行きソーラー発電利用した充電を考えているからだ。

注意 電動自転車用バッテリーの充電には、専用充電器以外の使用は認められていません。今回の実験は、あくまでも緊急時に自動車用12Vバッテリーから充電できるかどうか、可能性を調べただけのものです。端子の並び順や端子電圧も自転車メーカーによって異なるかも知れませんので、電気知識の無い方がこの方法で充電するのは非常に危険を伴います。万が一、電動自転車用バッテリーをこの方法で充電しなければならない場合は、くれぐれも自己責任にて御願いをいたします。






アタッシュケースにソーラーパネル貼り付け?

60W折りたたみ式ソーラーパネルでした!
2012年1月2日12Vバッテリーからエネループバイク用バッテリーに、最大電圧30VDC-DCステップアップ・コンバーター経由で充電できるのに気を良くして、いよいよソーラーパネルからの充電実験に取り掛かった。ただし十分な出力を稼ごうとすると、大きな面積になるのがソーラーパネルの問題点。 そこで折りたたみ式にすれば、収納時は半分になると言うアイデアで作られたのが折りたたみ式です。最大出力60Wの折りたたみ式ソーラーパネルを製造している中国のメーカーを見つけ、 現地よりサンプルを取り寄せてみた。


DC-DCステップアップ・コンバーター経由で充電

充電電圧27Vで1A弱の充電電流を確保!
マンションの紫外線防止フィルムを張り付けた二重ガラス経由なので、相当な光エネルギーロスをしている筈だが1A弱の充電電流をマークできた。直射日光なら30%アップ以上は期待できるだろう。 これだけ大きなパネルを自転車の荷台に取り付けて走るのは危ないが、走行時は折りたたんでおけば駐輪時に広げて充電出来ない事は無い。緊急時にこんなシステムがあると、とても安心できるのではないだろうか

この折りたたみ式ソーラーパネルは、軽キャンパーのサブ・バッテリー充電用にも便利ではと思う。炎天下の直射日光なら数Aの充電電流は確保出来るだろうから、夜間の為の電力に多少は貢献する筈だ。







8Wソーラーパネルからシールド鉛バッテリーに充電

最大電流10Aまで対応のチャージコントローラー!
2012年1月13日シールド鉛バッテリー(12V12Ah)に8Wソーラーパネルから充電を試みた。 今回はチャージコントローラーと呼ばれる充電制御デバイスの働きを検証する。8W程度の出力では、空になったバッテリーなら直接接続しても時たま電圧チェックし、端子電圧が14V(正確には13.8V)未満で充電を止めれば過充電になる事はないだろう。ただし、常時接続をする場合はチャージコントローラーを使うと、バッテリーを傷めない様に自動的に充電を管理してくれるので便利だ。もっとも100Ah程の大きなキャンパー用サブバッテリーなら、15W以下のソーラーパネルを使う場合は自然放電を補う程度なので、チャージコントローラーは不要とも言われている。


発電電圧が高くても充電電圧は13.5V辺りをキープ

満充電寸前での電流は50mAと100mA間で振れる
チャージコントローラーには、夜間とかのソーラーパネルが発電しない時のバッテリーからの逆流電流をカットする機能も付いている。この機能はキャンパー用サブ・バッテリーをメイン・バッテリーと接続する場合にも便利なのではと考えている。オルタネーターやメイン・バッテリーをソーラーパネルと同じ充電電源と考え、ING+12V電源からサブ・バッテリーに接続するのだ。このチャージコントローラーは10A以上は流れないので、電流容量は何とか持つのではと思う。このアイデアは何れ実車で実験してみたい。チャージコントローラーは12V電源取り出し端子も付いているから、使いすぎでバッテリー電圧が下がると、電源を自動的にカットし過放電からバッテリーを守ってくれる安心な機能もある。








4,980円のエアコンプレッサー付DC12V 17.2Ah電源

980円のDC-ACインバーター!
2012年2月1日シールド鉛バッテリー(12V17.2Ah)内蔵のエアコンプレッサー付き非常用電源が 4,980円で売られていた ので、これはお買い得とゲット。980円のDC-AC100Vインバーターを同時に買うと、この分は送料サービスとあったので当然一緒に注文した。何時、何処で地震が起こらないとも限らない日本列島では、この位の用心はしておく方が無難だろう。100W以内とは言え、この12V電源を交流100Vに変換できるDC-ACインバーターが一緒にあれば、電子レンジは無理としても小型テレビ位は何とか見れる筈だ。


70W一人用ホット・カーペット

ホット・カーペットと非常用DC電源を接続
あまりにもチープな中国製非常用DC電源が、果たして使い物になるのか早速テストしてみた。実験に使ったのは、独り寝用70Wホット・カーペットが同じネット・ショップであったので、負荷に丁度良いと同時購入してみた。温度調整が弱、中、強と三段階になっているが、100W対応のDC-ACインバーターとは言え、強では内蔵ブレーカーが働き電源が落ちてしまった。電流を測ると弱で1.5A、中で2.2Aだった。中で計算すると約30Wの消費電力であるのが判明した。
経過時間端子電圧(V)
0:0013.2
1:0012.55
2:0012.48
3:0012.33
4:0011.95
5:0011.52
6:0011.12
7:0010.77

色別LEDによるバッテリー残量表示
7時間目にバッテリーのインジケーターが黄色になったので実験を中止した。平均電流が2Aとして7時間だから15.4Ahの容量となる。 インジケーターが赤まで使わなかったので、公称容量17.2Ahは粗信じて良いのではないだろうか。本来このDC電源は車載用である。 従って、昨今流行りだしている車中泊には、サブ・バッテリーを搭載する程でない場合は結構便利なのではないだろうか。 冬の車中泊に家庭用ホット・カーペットが使えるかとのテーマを含めての実験だったが、4個買っても2万円で納まり70Ahサブバッテリー搭載と同等容量になるので、 軽キャンパー、家庭用非常電源兼用にもってこいだろう。







 

「60W折りたたみ式ソーラーパネル」で充電

発電電圧17V以上、電流800mA
2012年2月2日ホット・カーペットの通電実験で消費した電力を、今流行り言葉になっている「再生可能エネルギー」の太陽光エネルギーで補充しようと思いついた。内蔵されているバッテリー容量から、発電能力が小さいと充電時間が掛かり過ぎると判断し、中国のソーラーパネル・メーカーで試作してもらった「60W折りたたみ式ソーラーパネル」で充電を試みた。

 

太陽エネルギーで充電LED点灯

付属充電用シガーソケット・コード、ACアダプター
パワーステーションの前面左に付いている充電用ピン・ジャックだが、DC12Vと表示されているのに14V未満の充電電圧では充電中を示すLEDも点灯せず充電電流も流れない。 従って、付属している充電用シガープラグ・コードで車のシガー・ソケットに接続しても充電は出来ない。おかしいと思いつつ、付属の専用AC充電アダプターの電圧を確認すると15Vと表示されており、 テスターで出力電圧を測ると20V近い。従って車のシガー・ソケットから充電するには、DC-ACインバーターで100Vに変換してから、AC充電アダプター経由とせざるを得ない事が判った。

これを逆手に取れば、17V以上の開放電圧を持つソーラーパネルから充電するにしても、チャージ・コントローラーは不要(チャージコントローラー回路が既に入っているのでは)となる。と言う訳で「60W折りたたみ式ソーラーパネル」を直接、パワーステーションに接続し充電を試みた。遮光フィルムを貼ってある二重ガラスの窓を通して来る太陽光からの発電だが、見事に充電中を示すLEDが点灯し、充電電流も800mAを維持している。 バッテリー残量LEDが赤色まで放電させた後に、直接の太陽光を当てたら2A以上は流れるのではないだろうか。







 

太陽光を直接浴びる15Wソーラーパネル

直接光だと4倍の発電量になった!
2012年2月4日 今まで窓際にての発電テストばかりだったが、炎天下での発電性能を試してみた。驚くなかれ、何と4倍の発電量となり正直驚いた。15Wソーラーパネルながら、室内での60Wタイプと同等の充電電流をマーク!バッテリーは満充電状態なのに、600〜800mAも流れ込んでいるから、粗定格出力で働いている。バッテリーが空だったら1Aを超えてしまうのではないか、中国製とは言え馬鹿にできない性能である。常時窓際に置いた状態で、自己放電を補充するだけなら5Wタイプでも十分であるが、キャンプ場で夜に空にしたバッテリーを翌日満充電するには、少なくとも30Wの発電量は確保したい処だ。 試作してもらった「60W折りたたみ式タイプ」なら、80%位までの充電なら半日で済むであろう(鉛バッテリーは定電圧充電が主なので、最終場面では充電電流が減少し100%満充電までに時間が掛かる)。







 

これがあれば何処でもお湯が沸かせ米も炊ける!

中身の構成はこうなっている。
2012年3月7日 災害時に役に立つと言うより、生き延びるのに必須の湯沸かしを紹介したい。 最近は災害時にお役立ちと言うと、ソーラーパネルとかバッテリーが定番になっているが、この製品は原始的なアルコールの燃焼エネルギーを利用する。 人類が一番古くから利用している燃焼エネルギーの凄さと言うか、便利さが実感できるのがこの「アルポット」である。 構造は至って簡単と言うか合理的で、アルコールランプに安全性と風避けを兼ねた外筒を被せ、中にアルミ製湯沸かしポットが入っているだけ。 この構造のせいで、風の強い場所でもお湯が沸かせるのだ。 アルコールランプのタンクに入れるアルコールはたった80ccであるが、燃焼時間は45分に及び、火力をワット換算すると恐らく200W以上あるのではなかろうか。

と言う訳で正確なワット数を計算してみる。800ccの水が15℃だったとして、100℃まで上げるのに必要なカロリーは、水1ccを1℃上げるには1cal必要だから総計68000calになる。 沸騰させるのに必要な時間は、カタログにある13分として秒数だと780秒だから、68000cal/780秒となり毎秒87calだ。それを4.2倍すればワット数になるから、 単純計算でも360Wになってしまう。燃焼熱が全て水に伝わる訳は無いので、発熱量の70%が湯沸かしに使われたとすると、アルコールランプの燃焼エネルギーは500Wにも達する。おたー ちっぽけなアルコールランプと言えども侮れないパワーだ。

それに比べると電気エネルギーを蓄えるバッテリーなぞと言う物は、如何に効率の悪いシステムか思い知らされた。 これは電気自動車にも言える事で、一世紀近い歴史を持つ燃焼熱を利用した内燃機関を超えるのは容易な事ではない。 因みにリチウム・イオン電池でさえも蓄えているエネルギー量は、ガソリンの1/100以下にすぎない。もっともモーターの効率は100%に近付いているが、ガソリン・エンジンの熱効率を30%以下と計算しても、まだまだ化石燃料の航続距離には太刀打ちできない。
 

アルコールランプに点火

800ccの水が10分少々で沸騰した。
アルコールランプに点火し、ポットに約800ccの水を入れて湯沸かしテストをしてみた。10分少々を経過しただけで水が煮えたぎったのには驚き。 コーヒーカップ2杯程度の水ならば、8分前後で沸騰してしまうパワーがある。 これをキャンパーに持ち込めば、サブ・バッテリーの残量がどうのこうのと心配する必要もなくご飯も炊けて、お湯も沸かせる便利グッズである。 勿論、電力を利用するのとは異なり、燃焼によって酸素が消費されるので、窓を開けて換気をしなければ危険なのは常識ではある。 また車内で火を使う以上は、アルポットが安全性に優れているとは言え、いざと言う時の消火用の水はボトルに入れて備えるべきだろう。 そんな若干の用心が必要としても、こんな小型の器具と少量の燃料でお湯が沸かせるとは、燃焼エネルギーの凄さを再度実感した次第である。 ちなみに、このアルポットはJAFの通販で購入した物で、外筒が綺麗に磨かれたオールステンレス製である。 これはJAFオリジナルの企画製品で、他の販売ルートでは塗装されているモデルになってしまうそうだ。







   

インバーターAC100V変換で家庭用LED電球点灯!

DC12V電源家庭用電球型LED点灯!

上記消費電流800mA

上記消費電流250mA
2012年3月23日 先に紹介したポータブルDC12V電源のパワーステーションと980円インバーターを使って、家庭用LED電球の点灯実験を行ってみた。 この格安インバーターがあれば、DC12V電源でも100V家庭用LED電球を停電時の照明や作業灯としても使えるし、車中泊の明かりとしても便利である。

従来の白熱電球に比べ格段に小さな消費電力のLED電球だが、直流の低い電圧を使用するLEDの関係上、口金内に電圧を下げ直流にする回路があるので発熱ロスが出てしまう(胴体に冷却フィンがある理由)。

最近では、家庭用LED電球型でありながらDC12V専用の省エネタイプが販売されている。 これならインバーターを必要とせず、シガーソケットやポータブルDC12V電源からダイレクトで点灯できる。 実験で使ったLED電球のスペックは、100V仕様が東芝製4.1Wで電球色相当240ルーメン(約20〜30W相当)、DC12V仕様が 日亜化学工業製3.5W420ルーメン(70W相当)となっている。 そこで消費電流を測ってみると、インバーターを経由した100V家庭用LED電球の場合に必要とした電流は800mA、DC12V専用の場合は250mAであった。

明るさから言えば、DC12V専用は100V仕様に比べ約2倍だが、何と消費電流は約1/3で省エネ性が証明された。 車中泊とかでバッテリーの負担は減らしたい場合、DC12V専用がお勧めだ。 だが作業灯として短時間使うのであれば、部屋からLED電球を拝借しインバーター経由で使うと無駄な出費は不要となる。 勿論、車中泊でも800mA程度ならバッテリーでも十分対応できる範囲であるし、電球色と言うのは何ともいえない良い雰囲気も楽しめる筈だ。
 

左側がAC100V仕様、右側がDC12V仕様

コンセントには極性を間違えない様に印を付けた
ここで気を付けないといけないのは、12V仕様LED電球の口金が100V仕様と同じ事だ。間違えて12V仕様を100V電源に繋いでしまうと大変危険な事になる。 DC12Vで使うにしても、100V用コンセントに極性を間違えない様に印を付けておくべきだ。


<2012/09/18>100km以上の交信距離記録を持っている DJ-R20Dを買い足そうと、行き付けの秋葉原の無線屋さんを訪ねたが、既に製造中止になっていた。その後継機と紹介されたのがDJ-P24だった。DJ-R20Dと同じ機能は持っていないが(中継器にはならない)、既に中継器として使っているDJ-R100とボディーは同じで防滴構造になっている。

DJ-R20Dの後継機DJ-P24

出力がHi10mW、Lo1mWと切り替えできる
お勧めを2台を購入し、いざ交信テストをしてみると驚いた性能を持っていた。5Wの出力を持つ業務用トランシーバーでもやっと通じるマンションの5階と地下2階で交信したが軽くクリアーしたのだ。出力はたったの10mWだから、業務用と比べ1/500のパワーにすぎない。出力は法定の10mWだから、受信性能が上がっているのだ。 因みに高所に設置した中継器を経由したら、数kmはある麻布十番とお台場の間で軽々話せた。以前、麻布十番と新宿のビルの屋上で交信できたので、新宿とお台場の間で交信できる事になる。 このモデルは出力切り替えで1mWも選べるので、マンション内で1mWと10mWの交信距離をテストしたが、その距離の差はの20〜30%しかない。 この結果から推定できるのは、5W機に対してDJ-P24の交信可能距離は1/500ではないと言う事だ。無線機の通信距離は出力より受信性能、ロケーションが大事なのだ。 火事場に集まる野次馬が携帯電話で連絡を取るので、近所の携帯電話が繋がりにくくなった経験談が消防団のブログであったので、次の大きな震災も予想される現在、特小トランシーバーも大事な防災グッズの一つだ。



<2016/06/23>ネットも携帯電話も存在しなかった青年時代に流行ったCBトランシーバーが静かなブームになってきている。 携帯電話の普及でトランシーバーの必要性も無くなり、今では製造販売されていないCBトランシーバーなので、ここに紹介するナショナル製も作られてから既に数十年を経過している年代物である。

ナショナル製トランシーバーRJ570、RJ380

Eスポを狙い遠距離交信に挑戦
CBトランシーバーと言うとトラックに搭載されていて、強力な電波を発信する違法な無線機を思い浮かべるが、これはれっきとした合法トランシーバーである。合法なので送信出力は小さく500mWしかないので交信距離は短く、27Mhzと言う周波数から特に市街地では電波の減衰が激しく1kmも飛べば良いほうなのだ。それでトラック野郎達は米国仕様の強力な電波を出すCBトランシーバーを使い出したのだが、合法CBトランシーバーを使う人達にとっては交信を邪魔され、その独特の喋り方も含めイイ迷惑であった。その後の携帯電話の普及で違法CB無線も影を潜め、500mWの合法トランシーバーも活躍の場を取り返している。

当方がCBトランシーバーを引っ張り出してきた経緯だが、昨年の9月に大田区の野鳥公園に行った折、ナショナル製CBトランシーバーRJ480と言う、やや軽めのハンディートランシーバーを持って行ったのだが、電源を入れると奥多摩の山頂と鎌倉の間で行われていた交信を聞く事ができ、興味を持った。ネットでCBトランシーバーの交信距離を調べたら、驚くなかれ北海道や沖縄との交信を楽しんでいる方達が居るのを知った。それでドライブには必ずCBトランシーバーを持参する様に心掛けていたのだが、海岸から東京湾を挟んでせいぜい数十km離れているマニアの方達との交信が限度だった。

それで北海道や沖縄と交信なんて夢の夢かと思っていたが、6月12日に千葉県館山市の海岸でRJ570のスイッチを入れたところ、コールサイン「かみかわEF35」局からのCQが入って来た。発信地を聴いていると北海道士別市との声がハッキリと聞こえてきた。間髪入れず当方のコールサイン「みなとAZ10」で「かみかわEF35」局を呼ぶと、何と当方のコールサインを呼ぶ声が聞こえ、お互いのコールサインと現在地を確認できた。これには大感激、地図で確認すると1200kmの距離を僅か500mWの出力で交信しているのだ。その後も苫小牧市の「いぶりTM360]局が神奈川の局と交信しているのが、ガンガンと入ってきた。Eスポが発生すると関東周辺の局が一斉にCQを出して遠くの局を探しているのが聴こえて来て、とても楽しい一時だった。

世界中の方達とネット経由でテレビ電話が楽しめる時代に、たかだ1200kmの距離で交信できて大感激とは理解できないかもしれない。しかしながら、乾電池を電源とする、たった500mWの出力の40年前の無線機で、日本列島の半分に相当する距離でお互いに直接話が出来るなんて、何とも素晴らしいと思いませんか。丸い地球で水平線の向こうに隠れている相手方と交信できるのは、スポラディックE層と言う電離層が地上100〜150kmに出来ていると反射鏡となり、電波が上空で反射されて見通しの効かない遠くまで届くのだそうだ。

ネットでマニアの方達の愛用している機種を調べると、絶対的にソニー製品が多い。極論を述べる方ではソニー製が遠距離交信には絶対的に有利とするが、ナショナル製しか持ち合わせていない当方でも十分に遠距離交信が出来る事が解った。ナショナル製でもRJ570は受信回路がダブル・スーパーヘテロダインとなっていて、遠距離交信で定評があるリグだが、サブで持っていった軽量なRJ480(秋葉原で3000円台で買った中古品)で聴いてみても、多少感度は劣るも十分に相手方の声は明瞭に聞こえて来た。Eスポさえ出現していれば、シングル・スーパーのトランシーバーでも遠距離交信は可能と考えているので、秋葉原などで中古のCBトランシーバーを見つけたら、買っておくのも楽しみの一つになるのではなかろうか。


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