豚鼻だが洋館にマッチするボディーはラテンの血筋。

「Always」みたいにレトロっぽくもユーモラスな後ろ姿!
地球温暖化防止と燃料代高騰から、弊社として今後の自動車の形態を考えた場合、一つの結論としてヨーロッパでは半数の車が搭載する小型ディーゼルが主流になるのではと、ランチャ・イプシロンディーゼルを燃費研究テスト車両として購入してみた。今年3月に、ご近所のガレージ伊太利屋に問い合わせた所、ユーロ安の当時では200万円台後半の価格と聞いて即お願いをしてしまった。柿色のボディーにアルカンタラ仕様の内装、ディーゼル・ターボにマニュアル・ミッションとの注文に、ランチャ社でも同仕様のオーダーが集まるまで生産を待ったらしく、納車は8月6日まで半年近く待たされる事になってしまった。残念ながら、今年9月からのディーゼル排ガス規制強化により、マニュアル車しか輸入登録できないらしい。もっとも、アイドリングでクラッチを繋いでもエンストせずに平気で発進できる低速トルクを考えると、マニュアル・ミッションでもAT並みに気楽に運転出来る事は請け合いである。ディーゼルでアンダーパワーとは言え、燃費を無視して急加速したい場合は、ターボでフルブーストをかけると同排気量程度のガソリン車レベル以上の加速はできる。

マセラティー風にアルカンタラでイタ車の雰囲気ムンムン。

ボディーデザイン優先のせいか後部座席は窮屈!
購買意欲をそそるのは、人造皮ながらコノリーより高価と言われ、マセラティーで多用されているアルカンタラをインパネ、ドア内張り、シートにと惜しげなく使ってイタ車の雰囲気が「ムセかえる」ほどだ。デザインはお買い物車だが、設計コンセプトはコーナリング特性だけを考えたショート・ホイールベースとキャスター角に、トライアル車並のサスペンション・ストロークの足回りを持っている(当方みたいなヘボドライバーでも、砂利道のコーナーをドリフト走行できそう)。コンパクト車ながらボディー剛性が高く、側面衝突から守る装甲車並の頑丈で分厚いドアを装備した安全で遊び心のある車だ。

この車の高速直進性は非常に悪いとの印象を受けたが、原因はショート・ホイールベースのせいではなく、純正で採用されている省エネタイプのトレッド・パターンや断面形状を持つタイヤにあるのが判った。思い切って、評価の高いM社の輸入タイヤに履き替えてみた。EUや米国で製造されているM社製タイヤは市販品でありながら、構造的にレーシング・タイヤに近い。効果は抜群で、ショート・ホイールベースでありながらも、抜群の直進安定性が出た。以前、直進安定性の悪い国産セダンでもM社輸入物タイヤで不安なく運転できた経験が役立った。この素晴らしいタイヤは、ビード部に入っているスチールベルトに工夫があるらしく、しなやかに出来ている。柔らかいくせに何故、直進安定性が出るのか不思議だが、見分け方はホイール装着前のタイヤのビード部に手をかけて、裏返しにめくってみる事だ。握力だけでサイド・ウォールが簡単にひっくり返えせれば、この手のタイヤだ(それ以外のタイヤは、固くてビクとも動かない筈だ)。

オプションだがサン・ルーフで明るく開放感大!

広くはないが一応、荷物は積める。
この車を簡単に言うと、ランチャ社が並の車を作る筈はなく、見た目はお買い物車に見せかけているが、スポーツ車なんです。素性を隠すデザインもマセラティー的です(子豚の皮を被ったカモシカ)。ラリー車の足回りに寸詰まりだが、マセラティー並のボディーと内装、低速トルクがモリモリの小型ディーゼル・ターボを取り付けた欲張りで尖った設計と言える。3ナンバーでありながら後部座席が狭いとか荷物を沢山積めないとか、普通の日本人の感覚では受け入れられないかもしれない。イタリア人は広さや使い勝手より、彼女が喜ぶお洒落なデザインと、曲がりくねったコーナーを速く走れる車でないといけないんですね。初代イプシロンのデザイナーは、マセラティーGTをデザインしたエンリコ・フミアなのですが、何と今回のモデルをデザインしたのは、日本人の原田則彦さんと聞いて驚きました。日本人のデザイン感覚も、イタリアでは高い評価を得ているんです。 



20.4/1750(kgm/rpm)を発生する1300ディーゼル・ターボ。

慣らし中でも都内を軽く20km/lオーバーで走れる!
搭載されているマルチ・ジェットと呼ばれる1300ccディーゼル・ターボは、1750rpmにて20kgmオーバーの最大トルクを発生する。 運転してみると、1000〜2000rpmの間をタコメーターの針が上がり下がりしながら加速していくところは、観光バスの運転をしている錯覚に陥る。不思議な事にタコメーター(レトロっぽいスミス風メーター類に感激の涙)にレッドゾーンが無く、レブ・リミットが分からない。4000〜5000rpmは大丈夫だと思うが、慣らし中なのでそこまでは回していない。現在、秘密の僅かながら研削作用のある添加剤とメタルチューニングをエンジン、ギヤオイル共添加している。新しいディーゼル・エンジンは非常に嵌めあいが固く、納車時には坂を登るにも苦労したほどエンジン内部の摩擦抵抗が大きかった。それで、秘密の研削作用を持つ添加剤でプラトーホーニング状態になる様に当りを付けている。こんな状態であるにも係わらず、1000〜1500rpmの間を常用して運転すると都内で20km/lオーバーをマークしてしまった。 今後、三種混合添加によるさらなる摩擦抵抗減が楽しみだ。

このマルチ・ジェットで採用されている燃料噴射ポンプの噴射孔は、従来型のメカニカル方式による開閉制御ではなくて、圧電効果(ピエゾ効果)素子を利用したものらしい。水晶とかトルマリン等は、電圧をかけると体積が変化する性質を持つ。この体積変化を利用して噴射孔を開閉するのだが、電気的方式なので微妙なコントロールがしやすい。圧電素子は、インクジェット・プリンターでも使われている技術でもある。日本のインクジェット・プリンターは、ミクロのインク粒子をコントロールして飛ばす技術で世界最高だから、将来は日本が最高のクリーン・ディーゼルを作る日が来るかもしれない。我が家のディーゼル車の噴射ポンプはEPSO、社製だなんて!!!

燃費向上の一つとしてガソリンのハイブリット・カーが人気を呼んでいて、 小型車を上手く運転すると都内で20km/lは届くらしい。今回、ディーゼル・エンジンを選んだ理由は、ハイブリット・カーの場合、バッテリーの製造に消費されるエネルギーと廃棄時の環境負担の問題がある。バッテリーは半永久的には使えないので、どうしても定期的に交換が必要になってくる。ハイブリット・カーが普及してくると、廃棄バッテリーの処理が大きな環境負担になる可能性もある。噂にしか過ぎないが、ハイブリット・カーに対する優遇税制が無くなった時点で、各自動車メーカーがディーゼル車の発売に突っ走るらしく小型ディーゼル・エンジンを開発中とも言われる。今年9月よりディーゼル規制のよりいっそうの強化で、国産自動車メーカーは新排ガス規制クリアの相当な研究開発を行っていると思われる。ル・マンでは既にディーゼル車が優勝しており、F1でもディーゼル・エンジンを引っさげて参加するヨーロッパのチームも有りうると言われている。日本車からヨーロッパ市場を守る為にも、一歩進んだディーゼル技術で迎え撃つヨーロッパ勢に、国産自動車メーカーはどう対抗して行くのであろうか。食料自給自足率の低い日本は、自動車輸出が上手くいかなくなると外貨が稼げず、食べ物にも事欠くのを忘れてはいけない。



ガソリン1400cc95PS/5800rpm、13.0/4500(kgm/rpm)搭載

シックなブラックとシルバーのツートン・カラー!

アルカンタラ仕様でないので、やや地味な室内。

ガソリン・エンジンではディーゼルの半分の燃費!
前述のイプシロンは、ヨーロッパの小型1300ccディーゼル・ターボに興味があり購入したのだが、実際に使ってみると日本の現状に合わない事が判り、泣く泣く手放した。まず、熱効率が高いので水温が上がるのに時間が掛かる。冬場であると、暖房が効くまでやや30分は必要だ。都内の使用だと暖まる前に現地に付いてしまうので、何時もひざ掛け毛布が必要だった。それと、軽油の匂いなのか特性なのか判らないが、自律神経が興奮して運転中に不快感が有った。しかし、ランチャ独特のサスペンションやボディー剛性が忘れられずにいたのだが、ガレージ 伊太利屋にあったガソリン仕様のデモカーに試乗したら、また虜になってしまった。聞くと試乗用としての期間も終わるので譲っても良いとのご好意に飛びついてしまった。気に入っていたチンクエチェントには申し訳ないが、浮気性なのでトレードと相成った。女性に例えれば、チンクは小娘でイプシロンはやや熟女かもしれない。でも、アルカンタラ仕様でないので熟年紳士とも言えなくは無い。


その後のガソリン仕様のインプレッションだが、結論として購入して良かったと思っている。まず、冬季でも暖房が早く効くので寒い思いをしなくても済む様になった。それと、ディーゼル仕様では安定感の無かったコンチネンタルのタイヤだが、不思議とこの車では高速でも問題ない直進安定性を持っている。もしかすると、ディーゼル仕様ではアライメント調整が完璧でなかったのかもしれない。シートのバックレストもアルカンタラ仕様より堅く、長時間運転しても腰が楽であるのは助かる。燃費は冬季のせいもあってか、ディーゼルの半分だがランチャのガソリン・エンジンのパワーは半端ではない。流石に元ラリー・カーを作っていただけに1400ccでも「ぶっ飛び」の世界だ。この辺りが、FIATの脆弱な自然吸気エンジンとは異なる由縁なのかもしれない(まさかパワーアクセレーターみたいな物を組み込んでいないだろうなあ)。



弱ったバッテリーにパルス充電で喝!

テスト中の薄型「エレ来てる」を装着!
納車時より徐々に悪化して来た燃費だが、前述の通り都内走行で10km/lを割ってしまった。原因を色々考えてピーンと来たのがバッテリーだ。デモカーの時は頻繁に走行していたのが、弊社に来ると乗るのは一週間に一回程度、それも数kmの走行距離に過ぎない。 元自動車メーカーの技術の方のブログにもあるが、最近の車はパワステも電動になり電力を喰う一方だ。簡単に考えてもバッテリーが弱っていると、充電の為の発電抵抗によるエネルギーロスで燃費悪化する。これは夜間、自転車を乗る時に点灯用ダイナモを回した時のペダルの重さでも理解できる。とにもかくもバッテリーが弱ると点火プラグに飛ぶ火花も弱くなるし、燃費悪化の要因が山ほど出てくるのだ。

バッテリーに充電出来るエンジンの回転数は1800rpm以上だそうだが、ハイパワー化している昨今の車で、1800rpm以上を常用できる機会が如何ほどあろうか。バッテリーが弱ってECU電源が13.5Vを切ると、正確な制御信号を出せなくなるらしい。

たまたま以前に購入したパルス充電器があったので、ランチャ・イプシロンを車庫に置いている時はバッテリーに通電する事にした。さらに電気系を元気にする、新型テスト中の「エレ来てる」薄型USB電源端子タイプをシガーソケットに差し込んでみた。数日程通電してから都内を走ってみたら、いきなり14km/lをマークして仰天。ディーゼル仕様での20km/lの燃費は、とにもかくも無理をしてオーバードライブの2000rpm以下で走った結果なので、2000rpm以上を多用する普通の運転で16〜17km/lになってしまう。これを考えると、ガソリン1400ccで14km/lは驚きの値である。

今話題のハイブリット・カーも巨大な電池を積んでいるが、バッテリーは使ったら充電しないといけない基本原理は通常の車と同じだ。新車時の燃費を維持できないと嘆くハイブリット・カーオーナーも多いが、この原因は充放電によるバッテリー容量の低下と共に不十分な充電状態にも原因がある。これを考えると、登坂や高速走行が多くバッテリーを消耗しやすい環境では、バッテリーとモーターをメインとしたシステムより、F1のKERSみたいに エンジンをメインにモーターは補助するシステムの方が適切なのではないだろうか。

電気系を元気にし、省エネ運転を心掛けたら都内走行で14km/lを達成してしまった!現代の自動車は電子制御の塊である。従って、要求される消費電力が大きいと発電機の起電力による抵抗が大きい。これに逆らってエンジンが発電機を回そうとするので、余分にガソリンが消費される訳だ(精密な燃費計を装備していると、夜間ヘッドライトと点灯しただけで燃費が悪化するのが判る)。ECUやABS制御等の電子機器自体も十分な電源電圧が確保できないと素早く最適な指令をだせず、これも操作性や燃費悪化の原因になるのであろう。F1等のトップレベルのレーシングカーでは、電子制御系を元気にするのに15〜16Vの電源を供給しているらしい。とにもかくも、人間の神経回路にあたる電気系は元気でないといけないのだ。 、



エンジン停止中のバッテリーの端子電圧は12.5V

アイドリング中のシガーソケット電圧13.8V
車庫内でのパルス充電とUSBタイプ「エレ来てる」の装着で満足できる都内燃費となったが、先日の大田区→港区で交通の流れが良かったせいか16km/lをマークした。ハイブリット・カーも少々バッテリーがくたびれてくると17km/l〜18km/lらしいから、何でハイブリット・カーが必要なのかと言う位の燃費だった。念のためバッテリーの端子電圧とアイドリング中の電圧を計測してみた。バッテリー端子電圧だけからするとそんなに元気な状態ではないが、エンジン始動後はECUを正確に動かすには十分な電圧を発生していた。

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